「七転八起」の意味

「七転八起」を「諺」辞典で調べてみると「何度失敗しても立ちあがること。決して諦めないこと。人生を生きていく上で大切なこと」と書いてあります。 ビジネスに成功することであれ、一流と言われるレベルの仕事の技を身につけることであれ、目標を達成するにはメゲナイ気持ち・折れない心が大切です。 

しかし、そんなことは誰でもわかります。でも、それが出来ないから皆苦労するのです。現実にはそこまで頑張れる人の方が少ないのです。努力することは、決して楽しいことでも、面白いことでもありません。誰にとっても辛いことです。苦しいことも沢山あるでしょう。それくらい頑張り続けることは難しいことだと思います。メゲナイ気持ち・折れない心を持つこと自体がとても大変なことです。

そう考えると「七転八起」は「苦しいことを辛抱すること。辛いことに耐え抜くこと」といった精神論的な意味にしか受け取れません。結果が出るまで諦めずに頑張れば必ず成功する。しかし、それではいま時の人にはピンときません。あたり前のことだからです。そこで、もう少し実際のビジネスの成功に役立つように「七転八起」の意味について考えてみましょう。 

 

誰しもビジネスの成功や結果が簡単に手に入るわけではありません。多くの創意工夫試行錯誤を重ねてようやく成功にたどり着けます。研究開発や商品開発、新製品開発、技術開発等、新しいビジネスに関わる仕事に取り組んでいる方はこの感覚が良くお分かりだと思います。まさに「失敗は成功の元」を地で行くような仕事をされているからです。

この言葉に「七転八起」を重ねてみると、その意味する処が良くわかります。ビジネスを含め何事も成功を収めるには、少なくとも「失敗は成功の元」を七回乗り越えて、八回目のチャレンジでようやく成功するという風に解すれば良いのです。

成功へのプロセスは、毎回考えなしにチャレンジして、同じ失敗を繰り返すことではないと思います。それよりも、目の前の失敗から何を学ぶのかどのような反省材料を拾えるか。次に向けて、新たな工夫をどのようにするのか。むしろ、そちらの方がポイントです。

一番肝心なことは「何故、上手く行かなかったのか」その原因を突き止め、修正点や改善点といった次の一手、今後の対策を見つけることです。

結果に繋がるプラスの材料を見つける。新しいアイデアのヒントを探し出す。それが失敗の意味です。ひとつの失敗は、成功へのひとつの通過点でしかありません。要は、トライしたことが、残念なことに不成功に終わったと思えば良いだけのことです。

 このように考えてみれば、七回の不成功を通して、七つの手直しをし、“これまでにない七つの知恵を出す。七つの新手法、新技術、新たなノウハウを編み出す”七つの進歩を積み重ねてこそ成功できる。それが成功に向けての「七転八起」の現実的な意味だと思います。

「八度目の正直」それで恩の字というのがリアルな現実なのかもしれません。「三度目の正直」という言葉もありますが、三回くらいで諦めているようでは、まだまだ甘いのかもしれません。新分野の仕事、新しい仕事にチャレンジしている人には、常に、このような発想、モノの考え方が求められます。

 

その一方、一所懸命に努力しているけども報われない人に共通する特徴のひとつは、一つ覚えのワンパターンのやり方を繰り返すことです。

自分のやり方・スタイルを変えようとしない。自分にできること、わかることしかやろうとしません。今のやり方が絶対に正しい。これまでの努力の延長線の上に結果が待っていると信じて頑張っています。

 頑張っている自分に納得している。ところが、頑張ることを頑張っていることに気付けないのです。それが我流のやり方になっていることがわかりません。それ故、いつまでたっても“これまでのやり方を見直す。改める”という姿勢を持てない。そこに“一工夫を加えるという頭が働きませんそれでは、努力が堂々巡りになってしまい、七転八倒するだけです。

 

今のやり方が巧くいかないのは、そこに何か拙い処があるからです。何処かが雑になっていたり、注意不足であったり、結果の出ないやり方をしているのです。同じ努力をするにしても、そのやり方には、成功に確実に近づいていける方法もあれば、的外れな方法もあります。頑張り方には、正しいやり方とそうでないやり方があるのです。

 そのような、これまでの拙いやり方にこだわって頑張っても仕方がありません。そこに新たな工夫が無ければ期待する成果は望めないと思います。

努力プラス、そこから得た知恵、学習効果を重ねていかないと成功へのきっかけを摑めません。

 

日々の頑張りの中に「少しずつではあるが進歩している。一歩一歩確実に上達している」そういった手応えがある。だから、もう一頑張りしてみようと思える。それを感じられないと「仕方がない」と諦めてしまいまう。 

 ただの精神論だけでなく、頭を使って具体的な方法論に落とし込むことが成功のポイントです。

 

( 平成2855日 )         Ⓒ 公認会計士 井出 事務所

 

▶ 関連項目:反省材料を拾う

       続けることの難しさ

 報われるように努力しないと意味が無い

  頑張り損と努力の意味