何のために働くのか

 

  日経新聞の元旦に“何のために働くのか”“すれ違う会社と社員”と言う見出しの記事がありました。言葉を変えれば、自分にとっての“仕事の意味”がわからないということです。実際には、日々の忙しさに紛れ、あまり深く考えたことがない人も多いと思います。「家族のため。生活するため。生きるため。お金を稼ぐ手段。出世(昇進)したいから」人それぞれ、その理由は何でも良いのです。いずれにしても、自身で答えを出すしかない問題です。

本人の置かれた環境、現実、状況は千差万別だからです。

 

では「何故、その意味が大切か」と言うと、それがその人にとっての“頑張る理由” や“やる気”と大きく関わっているからです。自身にとっての仕事の意味は“プロ意識”あるいは“バイタリティー” といった仕事のメンタリティーに直結する大切な問題です。自分の仕事への取り組み方・気持ちの持ち方と言っても良いでしょう。

 

ある人は、会社の成長イコール自分の成長と思って、今の仕事に大きな“やりがい”を感じているかもしれません。また「そんなことは考えても仕方が無い」それほどに大袈裟に考えることでもなく「仕事は仕事。仕事だから」という思いで、今の仕事、自分の役割に納得している人もいます。

 一方、会社の歯車でしかない会社人生など、生きている価値は無い。仕事は程々にとドライに割り切ってプライベート優先で生きていくという人もいるかもしれません。まさに百人百様の考え方があると思います。

 

ところが、現実の毎日に追われていると、このような“自身の仕事へのスタンス”がわからなくなってしまいます。そうなると“やらされ感”ばかりが積って仕事へのネガティブな思いばかりが心に浮かんできます。

 

「毎日、同じことの繰り返し。仕事の内容が単調。他人の後始末みたいな後ろ向きの仕事ばかりでストレスが溜まる。地味な仕事でつまらない」今どきの3Kといわれる「きつい・厳しい・帰れない」といった疲労感を覚えます。人によっては、それが形を変えて「上司の指示がはっきりしない。決められない。振り回されたくない」のような上長批判や「会社に将来性を感じない。この会社に長く居ても仕方が無い」といった仕事への悩みになって表れてきます。

 

要は“何のために仕事をするのか”“自身にとっての仕事の意味”“仕事(会社)との関わり方がわからなくなっているのです。

自分の軸が固まっていないので、周りの状況に飲み込まれ、行き詰まっているからです。

 

 思い悩むそのひとつの理由は、ビジネスマンとして自身の成長、その手応えを感じられないからだと思います。仕事に対するメンタリティーが弱いと“確かな仕事ができる”と言われるような実行力が身につきません。

 

ふと気が付いてみると、自分の職場での立ち位置がわからない。存在感が薄く自分の居場所が会社に無い。先の見えない不安が募ってきます。また、心の奥底で「仕事に自信を持てない」「仕事の実務スキルがレベルアップしていない」「自分の将来に明るさが見えない」といた現実を強く感じるようになります。

 それ故“自分は何のために働いているのか”という疑問が沸々と沸いてくるのです。自分と会社(仕事)との距離感”が上手くとれない人ほど、その思いは尽きないと思います。

 

“何のために仕事をするのか”このテーマについては、遅くとも30台半ばまでには、自分なりの答えを持っていてほしいテーマです。もし貴方が同僚や部下からこの質問をされたとしたら、どう答えるでしょうか。

 無論、絶対に正しいと言える答えはありません。だからこそ、30になった時、40になった時、50になった時に、自身がどういうポジションにいるのか。その時、どういう内容、レベルの仕事が出来なければいけないのか。将来を考えて、キャリア・アップの設計図を描いて欲しいものです。

 

 会社人生にも、自分の未来・キャリアを左右するような勝負処、我慢の為所といった時期が必ずやってきます。そのときに「どれ位頑張れるか」そして「どれだけの結果を残せるか」で、その後の状況は自ずと変わっていきます。キャリア・アップは“確かな仕事が出来る”というスキルの支えがあってこそ出来ることです。

 

だからこそ、先のことをシッカリ見据えて、地に足をつけて今日一日の仕事に取り組んで欲しいと思います。

 “場当たり対応・やりっぱなし・無反省”といったように、毎日の仕事を疎かにすることなく、自身の仕事の業務スキルやノウハウをひとつひとつ着実に積み重ねていっていただきたいものです。

 

パソコンに、いくつかのキー・ワードを入力すれば、いつでも、ただで、リアルタイムに、転職に必要な情報が手に入る時代です。≪本当は、転職ではなく会社を変わるだけの転社の人が多いようですが≫ 自分の考え方さえ、ハッキリしていれば何でも自由に動けるのが現代です。

しかし、よく考えてみると、今ほど「自分の仕事に対する考え方」を問われる時代も、いまだかつて無かったように思います。

 

私の仕事に対する基本的な考え方はというと“常に、前向きな発想で取り組む”ということです。“面倒なこと。手間のかかること。煩わしいこと”も沢山ありますが、良い方向に進むための材料という気持ちで取り組んでいます。何でも“自分にとってプラスになること”“いつかどこかで何かの役に立つこと”と思っていれば、そう苦になるものではないと思います。

 

( 平成2816日 )         Ⓒ 公認会計士 井出 事務所  

 

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