お客様の目線と経営戦略

 

 昨今は、新しい製品やニュー・サービスが次から次へと出てきます。顧客の立場からすると、時間の経過と共に、これまでの製品の品質では何となく物足りなくなってくる。従来通りのサービスでは少しずつ満足度が下がっていきます。お客様の要求水準や嗜好はドンドン変わっていきます。ビジネスに関わる全ての人は、そのことを十分に頭の中に入れておかなければなりません。そうしないと「お客様の視点」と「経営の視点」との間に「ビジネスの温度差」が出てきてしまいます。

その一方、お客様の目線の変化を「チャンスの到来」と考えるのがビジネスの原則です。顧客の嗜好の変化に対する「傾向と対策」はあらゆる業種、すべての仕事に欠くことのできないものだと思います。

お客様あっての商売、ビジネスです。だからこそ「お客様のこと(立場で)を考える。相手の気持ちを察する。先方の思いを汲み取ること」を忘れないことです。それこそが「商売の原点」だと思います。

 

伸びる会社は、こちらから前向きに提案することにより、顧客のニーズそのものを呼び起こしていくような商売のやり方をしています。魅力ある製品の開発を怠らない。お客様に喜ばれるようなサービスを実施している。何処よりも対応のスピードが速い。顧客の信頼を高めるような仕事の改善や改革を忘れない。

いつも工夫をして仕事をしています。だから、お客様から選ばれるのです。

 

いわゆる植木屋さんを会社化したO社は「定、草刈、草取り、伐採、刈り込み」といった庭仕事をサービスする会社としてスタートしました。O社では、安心できる植木屋さんが少ないという背景を踏まえ、サービス業としては当り前のお客様の視点に立ったサービスの提案にこだわっています。

「いくら費用がかかるか分からない。どんな人が仕事に来るのか分からない。どんな手入れをしてくれるのか、どんな感じ(見た目)になるのか不安」というような、お客様の不安をなくすために、

① 剪定や刈り込みの事例のカタログ化 ② 明朗会計  ③ ユニフォームの着用  ④ 作業後のきれいな掃除 等々、お客様に安心していただくためのサービスをアピ-ルしています。

また「プロがやるとこんな感じになりますよ。定前と定後ではこんなに違いますよ」ということをわかっていただくために、剪定や刈り込みの事例を自社の作品と称し、その写真をHPで紹介しています。

 

O社のこだわりは( 以下、HPより抜粋 )

 

 庭木や花々は、そのまま放置することが出来ない生き物です。せっかくのお庭も放っておけば荒れてしまいます。しかし、どう手入れしていいのか分からなかったり、忙しくて手が回らないというのが現実です。

 創業以来、私たちはお客様視点のサービスを提供することに全力を注いできました。私たちの仕事は、お客様に安心と感動を提供することです。

 業界に前例がなくても「お客様のためになる」と思えば迷わずに実践。今後も「安心と感動」をモットーに、常にお客様最優先のサービスを提供し続けていきます。当たり前のサービスを、これまでも、これからも。

「おにわや」のこだわりを忘れることなく、チャレンジを続け、地域の皆様に必要とされるサービス提供に尽力してまいります。

 

この会社は、現在本業関連のガーデニングはもとより、駐車場、門扉、目隠しフェンス、バルコニー等の屋外施設から、家屋の外壁工事までビジネス分野を広げています。これまでの植木屋さんの領域を超えて、広く「屋外景観の提案」をするビジネスを展開しています。

 

中小企業の強みは、直接お客様の声が聞ける、顔が見えることです。

経営の意思決定のスピードであり、小回りの利く企業行動、即ちきめ細かな対応であり、その速さです。

 つまり、もっと顧客に近いことを生かすべきだと思います。お客様にとっての「メリット、魅力、使いやすさ、便利さ、サービス」そこに焦点を当てて「自社の持ち味」をクローズアップする。そこに、こだわって「当社の特徴、セールスポイントを磨いていく」それこそが中小企業の経営戦略ではないでしょうか。

差別化の難しい時代、あらゆる業種をサービス業として捉え直してみる。すると、そこに他社との差別化要因となる多くのサービスがあることに気付きます。お客様に顧客に好まれるような「好品質、好機能、好サービス」それがキーワードです。この「好」の中には、リーズナブルなサービス、リーズナブルな値段というお得感も入ってくるでしょう。それが解ければ自社の経営戦略が見えてくると思います。

 

( 平成2627日 )          ©公認会計士 井出事務所

 

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