お客様への想いをメッセージにして伝える

前のコラムで「商売熱心な会社は情報発信を欠かさない」ことをお伝えしました。ネット社会が進んだ現代では、情報発信できる会社でなければ埋もれてしまう。そんなことは良くわかっている。ところが、当社には取り立てて「セールスポイント」といえるようなもの見当たらない。他社と差別化できるような何か特別なサービスができる訳でもないし、独自の技術といえるものも持っていない。だから、情報を発信しようにも伝えるものがない。地道に真面目一筋にやってきた。それだけが取柄みたいなもので、お客様に伝えることは何もない。そのような悩みをお持ちの経営者は多いと思います。

 

何も新しいことだけが情報発信の材料ではありません。これまでコツコツやってきたことをお客様へのメッセージとして素直に表現する。それも情報を発信する立派な材料だと思います。

どのようなビジネス、商売であっても、お客様の役に立つちょっとしたアドバイスがあります。お客様がなかなか気付かないような「プロはここに注意する」みたいなやり方のコツもあります。この他にも、お客様への想い、自社の仕事への思いを伝えるのも良いでしょう。

情報発信が上手い会社は、お客様の共感を引き出す伝え方を知っています。商売熱心な会社は、お客様が関心を持つ情報、何がお客様の興味を呼び起こすメッセージなのか、それを良くわかっています。

以下は、愛知の小さな自転車屋さんのHPです。

最近では個人商店が少なくなり、大型のチェーン店がどんな商売でも増えてきました。買うのはチェーン店。修理は専門店でもいいです。「どこで買ったものでも修理します」というお店がほとんどだと思います。修理をしていると「これはこういう壊れ方をする」 というのがわかります。ウチで売った物よりも修理にくるのは「よその売った安い物」が圧倒的に多いですから。販売が主のお店は、実はそこがわかっていない場合が多いような気がします。
 どんな自転車を選べばよいか、分からないときは「修理もやっている自転車屋さん」に聞くのが一番です。

自転車を売っていても修理はしていないところは多いですからね。その商品の丈夫さを知っているのは自転車に限らず「修理をしている人」ですから。通学など毎日使って自転車を酷使する通学自転車などは、長く付き合えるお店を選びましょう。きっと困ったときには相談に乗ってくれるはずです。

 

この自転車屋さんのような視点で商売をしていれば、丈夫な自転車の選び方「こういう点に注意してみる」写真紹介を添えて「よくある修理(壊れ方)のポイント」を紹介することが出来ます。

そこから、発想を膨らませて「自転車を長持ちさせるコツ」ということも伝えられます。

 修理のついでに、サドル・ペダル・ハンドル・グリップなど「パーツの交換でリニューアル」と言った提案もできるでしょう。

 

 修理屋さんとして、壊れた自転車を直すことだけが仕事ではありません。例え修理が多くとも「何故、壊れるのか。どのようにして直すのか。どうすれば長持ちするのか。パーツ交換の提案」など、自転車屋さんの仕事として、お客様に伝えるべきメッセージは沢山あると思います。

 何かを伝えることで、そこから新たなチャンスが生まれてくるかもしれません。その道のプロならではのアドバイスやコメントは、お客様にとっては大切で有難い情報です。修理作業の一つ一つの意味やそれを実施する際の注意事項も、情報発信の材料になるテーマと言えるでしょう。修理技術の高さや、プロの技を持っていることを示す証しになるからです。

 

要するに、情報発信が下手な会社は、お客様に伝えるメッセージが無いのではなく、伝えるべき内容がわからない。どのように伝えて良いのか、伝え方がわからないだけだと思います。

ですから、情報発信する材料が無いなどと嘆いていないで、ちょっとした「お客様へのメッセージ」や「お客様への伝え方」に頭を使うのも一つのアイデアです。

普段ない何気なくやっている仕事やこれまでコツコツやってきたことの意味を、一つ一つ丁寧にもう一度振り返ってみる。そして、その内容を一つ一つ丁寧に言葉や文字に置き換えてみてください。

そうすれば、そこに自社の持ち味と言えるメッセージやキーワードが言葉として浮かんでくるものです。

 

 ( 平成26223日 )        ©公認会計士 井出事務所