アンケート評価から読む合格点

 

 当事務所では、創業時より「企業研修」や「ビジネス・セミナー」をさせていただいています。そこで、これらのビジネスについて切っても切れないのが「アンケート」という評価基準です。

  一般的には「大変参考になった()・参考になった()・普通()・あまり参考にならなかった()・全く参考にならなかった()」といった5段階評価で行われ、受講生のアンケート結果から平均点を出します。

   では、その評価の「合格ラインは?」というと、実は「4.5」なのです。「3」ではありません。この合格ラインの基準は何かというと、リピート・オーダーが、ほぼ確実に取れる評価点です。私の経験値から言うと、4.3を切るとかなり難しい評価で、3点台に至っては論外です。

  ここで、皆さんに何を伝えたいことは平均点の意味です。数値的に言うと、平均点は「3」のように思います。この他にも、全講師(インストラクター)の平均点もあるでしょう。こちらは4点前後だと思います。

 しかし、プロの世界で通用するのは、そのレベルではありません。ビジネスの観点からの最低合格ラインは「4.5」なのです。数値を読むときに勘違いしてならないことはその評価基準の数字です。

     

  もう一つ、同じような例を見てみましょう。それは、飲食店を紹介する「食べログ」というサイトです。ここでも、お店の評価として「美味しいお店か。そうでないか」の5段階評価をしています。このサイトでの味の合格ラインは「3.5」だと言われています。

 実際「食べログ」を見てみると、料理の内容や場所によって、かなり細かく絞り込んだ店舗情報が出てきます。しかしながら「3.5」以上のポイントを獲得しているお店は、かなり少数派です。そこの地域内では、いわゆる繁盛店、有名店と呼ばれる処です。裏を返せば、ほとんどが「3.5」を取れないお店です。

 ある意味、こちらの方が、フツーのお店、平均的なお店なのかもしれません。しかし、お客様の目線で言うと、味的にも、雰囲気的にも特徴のない、他と代わり映えのしないお店だということです。

 

研修等のアンケート結果や食べログの評価から、ビジネスとして学ぶべき点があります。いくら、本人が頑張っていると思っていても「人並み、そこそこ」のレベルでは商売の成功は難しいと思います。

 単純な発想で「3」というアベレージの平均点であれば問題ない。「それ以上やる必要は無い。これで良いのだ」的な発想、自己満足の世界でビジネスをしていては、いつになってもお客様の高評価や満足度は得られません。

 

いつの時代もビジネスは競争原理で成り立っている仕組みです。この世界で「仕事(商売)の基本がシッカリしている。当たり前のことが出来る」こととは、お客様の目線での合格ラインに達していることです。

 ビジネスを行う以上、成功する合格点を取らなければ意味がないでしょう。ところが、そのことを忘れている人が多くいます。

 

 

実際、お客様からすると、物足りないことやマダマダだと感じること。ほとんど出来ていないと思うことは沢山あります。研修業務で言えば「わかりやすく説明する」といった他人に伝える仕事の基本中の基本でありながら、その実、そのことが出来ない講師は沢山います。

 例えば「コンプライアンス」のようなカタカナ言葉や「遵守(ジュンシュと読みます)」みたいな聞き慣れない漢字言葉を使わない。平易な言葉でその意味をシッカリと伝える。言葉を選びながらゆっくりと話す。

そういうことが注意事項として挙げられます。

 

飲食店で言うと「味にメリハリがない。食材の鮮度が低い」といった味的な面に問題がある。サービス面では「いらっしゃいませ。かしこまりました。有難うございました」のような基本的な接客用語がハッキリと口にできない。気の利いた接客ができない。お店の人の動きが、何処かモタモタ、ダラダラしている。待たせる。等々、いちいち口にはしませんが、お客様から見ると、お店への不満は数え切れないくらいあります。また、そういうお店の方が多いと感じるのも事実ではないでしょうか。

 

 このような状況を放りっぱなしにしておいて「ビジネスが上手くいかない。数字が取れない。お客様が来ない」と嘆いていても仕方がありません。「お客様の目線での合格ラインの仕事が出来ていない」と、今の現実を素直に受入れるべきだと思います。

 本人達が出来ていると思っているだけで、仕事として実行できていないことは沢山あります。「出来ていそうで、できていないこと」その内容を客観的に知ること。それこそが商売繁盛へのスタートラインになります。

 

(平成30530日)        Ⓒ 公認会計士 井出事務所

 

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