リーダーの気概

 

職場の問題解決。営業目標の達成や新規開拓。メーカーの技術部門の製品開発や新技術開発。流通業における新商材発掘など、ビジネスおいて「やらなければいけない」とわかっていても出来ないことは沢山あります。そう簡単なことではありません。しかしながら、伸びる会社はその難しいことを何とかしてクリアーする力を持っています。そして、成長する会社には、必ず新しいことにチャレンジし、それを成功させるリーダー(経営者・管理者)がいます。

 

私どもは、色々な業種の会社の経営のお手伝いをさせていただいています。その際、こだわっているのが、具体的な仕事のノウハウやそのやり方のチェック・ポイントを伝えていくことです。

リーダーと呼ばれる方を含め、今の人たちが求めるのは直ぐに使えるノウハウや上手く行く仕事のやり方です。ちょっとした仕事のやり方のコツさえ掴めば、今まで上手くいかなかったことが、たちまちできるようになると思っています。ところが、現実のビジネスはそうは甘くありません。

どんな仕事でも、一度や二度試したくらいでは成功する方が少ないのです。例えば、ゴルフのスウィングで「アーや、コーや」と、何かと口先ばかりで屁理屈を言う人がいますが、実際に、自分が言ったことが出来ないのでは意味がありません。要は、ノウハウや技に関わる知識があっても、その仕事が出来るようになる訳ではないのです。基本的なチェックポイントやノウハウを頭に入れることは出来ても、実際にそれをやろうとすると、それなりのトレーニングなり、努力が必要だということです。

 

今も昔も「仕事のできる人」は、粘り強く頑張って自分の技を身につけています。工夫と努力を重ねて仕事のノウハウを手に入れているのです。何度も何度も繰り返して自分のスキルをものにしています。

それは、経営者の経営ノウハウであれ、管理者の管理スキル、一担当者の現場の業務スキルであれ、同じことことです。彼らには、強いハートがあります。

 

頭が良い、能力はあるけれど、伸び悩む人はそこが分かりません。逆に「難しい。やりにくい」とか「面倒くさい。手間がかかる」と何かと言い訳をして、すぐに自分に出来ることしかやろうとしない人を数多く見かけます。

彼らは「できない理由。やらない言い訳」を考えることに一所懸命です。「ノウハウ()を骨抜きにする」ために頭を使います。あるいは「忙しい。時間が無い」と言って、三日坊主や計画倒れになることも珍しいことではありません。

「必要十分条件」という言葉がありますが、仕事には「ノウハウ・スキル・技」という技術論的な側面と「粘り強く取り組む」「何としてでも結果を出す。成功させる」不退転の決意といった精神論的な側面があります。

 このどちらが必要条件で、どちらが十分条件かということは、大きな問題ではありません。多分、その人、その会社の状況、その人の実情によって異なるのでしょう。いずれにしても、この二つの条件が揃わなければ成功にはたどり着けないことは確かなようです。

 

確かに、もう十数年以上前から「やる気」や「意欲」「責任感」といった精神論中心のコンサルや研修の時代は終わっています。具体的な方法論やノウハウをシッカリと伝えていかなければ、ビジネスが成り立たない状況です。

しかし、いくら指導しても、受け手の側がその内容を完全にマスターするまでやり抜く力が足りなければ仕事が出来るようにはなりません。

何でも他人任せ、部下任せではどうにもなりません。自身の力でやり切る姿勢が無ければ何事も成功しないでしょう。特に、ビジネスは「徹する・貫く」という気持ちの強さが欠かせません。

 今の経営者や管理者に、ことさら求められることは「リーダーとしての気概・覚悟・意地・根性のようなメンタルな強さではないでしょうか。

 

( 平成29110日 )          公認会計士 井出 事務所

 

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