会社を伸ばす仕組み

 

  自社の発展成長を願わない経営者はいません。会社の社長、万人の共通の想いです。今の時代、日常業務の延長だけでやっていても、数字が伸びる確率は極めて低いように思います。成長する会社は「何処の取引先を攻めるとか、どの商品を売り込むとか」しっかりと狙いを絞り、ひとつひとつビジネスを伸ばしていく計画性があります。これまでの流れで考え無しに動くのではなく、状況をキッチリと分析し、作戦を立てから動くような仕事のやり方をしています。

 何にこだわって会社を伸ばすのか。何を成長の軸に据えるのか。どのようにして業績を伸ばすのか。状況を分析し、次々と的確な対策を先手先手と打ち出して行きます。先を読んで手を打つ。その判断と意思決定こそが、経営者の仕事であり経営戦略を考える意味に他なりません。

 

 成行き任せの経営とは言わないまでも、中小企業の多くは、いつも状況に対し後手後手に回って動いています。日々の仕事に追われていると、将来に向けての戦略を考えることを忘れてしまいがちです。ライバルへの対策はあっても、こちらから仕掛ける作戦がありません。目先の数字を稼ぐ作戦はあっても、二、三年のちょっと長い眼で見た成長戦略が無いように思います。

企業経営では、これらの仕事こそ最も大切な仕事です。

 

 競争の厳しい昨今は、しっかりとした力を持っていないと戦えません。当社の強みと言える得意分野がある。狭い範囲ではあるけれど、そこでは業界内でトップクラスの実力がある。基幹商品、主力製品といえるものがハッキリとしている。あるいは、他社が真似できない独自技術、固有サービスを持っていることが大切です。

 つまり、セールスポイントがハッキリした会社、しっかりとした仕事ができる会社にならない限り先行きは厳しいでしょう。月並み、平均点の仕事振りでは、この先太刀打ちできません。ある程度、レベルの高い仕事ができないと顧客からの信頼を掴める会社にはなれないと思います。正に、競争力の有無を問われる時代なのです。

 だからこそ「どういう切り口にこだわってビジネスを広げるのか。どの製品分野、どの技術を成長の糸口にするのか。どのようなサービスを核にして会社を伸ばすのか」当社の売りやセールスポイントを明らかにする成長戦略が欠かせないのです。

「何を商売の軸にして数字を稼いでいくのか。ターゲットを絞り込み、どのようなアプローチをして取引先を増やすのか」売上を伸ばす具体的な作戦を練ることが欠かせません。

 中小企業が伸び悩む原因の一つは、このような戦略や作戦が無いからだと思います。

 これからの時代は、成り行き任せや出た処勝負の経営では何とかなるとは思えません。経営が考えるべきは「自社を伸ばす戦略」であり「業績を向上させる具体的な作戦」のような「先を睨んだ対策」です。

 

 その一方、当社の成長戦略や会社の目標はハッキリしているが、それを実行する具体的な方法ややり方がわからない」という会社も沢山あります。

「これまで色々と試してきたが、上手い解決策が見つからない。今までのやり方ではもう通用しないとわかっているが、それに替わる良い方法がない」とは何処の会社でも、よく耳にする言葉です。

 実際、会社の戦略とは言うものの、担当者の個人的な判断、個々の行動による対策になっていることが多い。その内容が場当たり的で掘り下げが十分ではない。安易な方策に流れる傾向が強い。反省点を拾って次に活かすといつも言うが、それが上手く活かされていない。

解決すべき問題、状況の事実関係や客観的な状況を明確にしないまま取り組んでいる。現状の認識の仕方が職場内でいつもバラバラのまま見切り発車をする。それもこれも皆わかっているが八方塞がりのままで現状の打開策が見えてこない。

 戦略だけが先走りしても、現場の実行力、即ち実際の戦力が伴わなければ戦略は絵に描いた餅に過ぎません。それは、明らかにすべき戦略の内容が大雑把過ぎて、内容の詰めが足りないから起きることです。

 

このような問題を解決するためには、本腰を入れて話し合う場が必要です。日常業務が主題となる定例会では、会社の将来や現場の実行力を高めるような新たな取り組みについて議論することは難しいと思います。

担当者任せで動くのではなく、会社としての動き方をハッキリさせる。

当社の仕事のやり方、仕事の流れを明らかにすべきです。そこで、求められるのが戦略会議や作戦会議のような話し合いの場です。

 社歴の長短に関わらず、目先の利く有志を集める。そこで、当社の先行きや現状の課題、問題点について意見を交換する。皆の前向きなアイデアや考えを引き出していくことが欠かせません。社の知恵を結集することが求められます。それこそが「会社を伸ばす仕組み」他なりません。

 どんなに能力のある社長でも一人の力には限りがあります。当社の先行きについて一人で思い悩んでも仕方のないことです。 

  蛇足ですが「その会社の戦略がハッキリしているか。売上を拡大する作戦が明らかかどうか」は、その会社のホームページを見れば一目瞭然です。

 

 ( 平成251023日 )              ©公認会計士 井出事務所 

 

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