「営業計画」「販促カレンダー」作成の重要性

 

1.「成り行き任せ・場当たり対応」の営業現場

 

皆さんは「用意周到に仕事を進められる営業」と「いつも、成り行きまかせ、出た処勝負で仕事をしている営業」では、どちらのタイプの方が結果を出せる営業マンだと思いますか。当然、前者のタイプの人です。「先を読んで仕事をする人」と「成り行き任せで仕事をする人」とも言えるかもしれません。

  仕事の出来る営業は「やるべき仕事の手順」と「その段取り」がシッカリと頭に入っています。彼らは、数字を取るための戦略やノウハウ、スキルを身につけている営業マンです。

 かたや、頑張ってはいるけど、思わしい結果を得られない営業は、そう言った基本的な営業スキルを十分にマスターしているとは言えません。彼らの仕事ぶりを、一言で言うと成り行き任せ」という言葉に象徴されます。目先のことばかりに一喜一憂し、先のことに目が向きません。

フツーの営業は、毎日がやっつけ仕事の連続です。その場しのぎ・場当たり対応」のレベルでしか仕事をしていないのです。当然の如く、その結果も「成り行き任せの結果オーライ」でしかありません。

 

営業の仕事の本質は、3ヶ月先、半年先を睨んだ長期戦です。だからこそ、商談のスケジュール管理は営業にとって、最も重要なスキルの一つです。ところが「先を見て動く」「用意周到」といったことを念頭に置いて、商談管理やスケジュール管理が一人で出来る営業マンなど滅多にいません。それは、極一握りの凄腕営業だけが身に付けているスキルです。

 だから「提案のタイミングが遅れる」「提案内容の詰めが甘い」といった(営業の仕事の)肝心な処でのミスが無くならないのです。

 

仕事に関わる計画書・スケジュール表を作っていないという会社はないでしょう。しかし、これらを上手く使いこなしている処は少ないかもしれません。これまでも、本コラムでは「スケジュール表の活用事例等を通して営業のスケジュール管理の重要性を提案してきました。

 

実際、コンサル現場でも、必ずと言って良いほど営業部門の「年度計画書」とか「年間の業務スケジュール表」の作成を提案させていただきます。ところが、残念なことに、いつまでたっても、その重要性に気づけない会社が多いことも事実です。日常業務のスケジュール管理や商談の進捗管理は、現場もしくは担当者ベースでシッカリやれば良い。そう思っている社長さんがほとんどだからです。

 

しかし、その現実は、毎月の営業会議における目標未達の「言い訳大会」です。要は、仕事(営業)を担当者任せにしている限り会社は成長しないのです。このような営業現場の事実を見過ごしているようでは、数字の上積みは難しいでしょう。

 

2.アパレル業界に学ぶ「営業の年度計画書」や「販促カレンダー」の活用法に学ぶ

 

季節商品を扱うアパレル業では、毎年、春夏・秋冬といった「新商品(コンセプト)の企画」に始まり、それらを売り込む「セールス・キャンペーン」まで、年間の販促計画書やスケジュール表が、年度初めに必ず商品企画や営業の現場に配られます。これらの書類が、今年度中に何をすべきか」という「やるべき仕事のテーマ・目標」「いつまでに」という期日を明らかにする文書だからです。

 

新商品や販促作戦を成功させヒットさせるには、十分にその企画内容を錬り込むといった事前の準備が欠かせません。ところが、現場は現場で日々の仕事に追われています。3月先・半年先のことまで頭が回りません。その傾向は、特に中小企業に多く見られます。そのため「新商品の創り込み」や「販促企画の内容を煮詰める」といった一番肝心な仕事をすべて現場任せにしていると、どうしても後手後手に回ってしまいます。

 

だからこそ、スケジュール表や計画書といった「会社全体で先を見て動く」ビジネスの仕組みを創り、経営が全体の戦略をコントロールすることが極めて重要なのです。組織的営業力」即ち「チームワークで商売を行う」その仕組みの基本になるのは、営業や商品企画・販促等の関連部門で共有すべき「年度計画書」とか「年間の業務スケジュール表」に他なりません。

 

3.時間を活かすも無駄にするのも経営次第

 

一年365日。あらゆる業種、全ての会社に等しい日数です。それを上手く活かせる会社とそうでない会社がある。それが時間です。有意義な一年にするのか。無為な一年にするのか。それとも、将来への基盤となる業務ノウハウ(技術)をシッカリと固める一年にするのか。それもこれも「社長の頭の中次第」です。

 

それが営業であるなら、新規開拓をするも良し、新製品や新サービス開発するのも良し、営業の土台を固めるのも良いでしょう。それは「主力商品や定番商品の売上伸長」「新規開拓の足固め」といった、会社として明確なチャレンジ・テーマを持つか否かだけの違いです。

 

その一方「そんな先までのことはわからない」という声も多く耳にします。それは「この一年、会社として何を為すべきなのか。どのような結果にこだわるべきなのか」やるべき仕事の内容がハッキリしていないからだと思います。言い換えると、その年の戦略が不明確だからです。だから、毎年、成り行き任せの仕事の連続になってしまうのです。それでは会社を伸ばすことは難しいでしょう。

 

( 平成29109日 )        Ⓒ 公認会計士 井出事務所

 ▶ 関連項目: 担当者任せにしている限り会社は成長しない

何事もハッキリしない抽象企業では伸び悩む

 

今、一度経営の仕事について考える

 

現場の実行力を高める仕組みが成長力の土台になる