営業部門の現状分析(その1)

 

 営業部門の現状分析は、その会社の「戦略立案、戦略実行」に極めて大きな意味合いを持っています。何故ならば、そこを読み違えると効果的な戦略がでてこないからです。

その分析内容の具体性、客観性は、当の管理者(責任者)が実際の業務に関わる事実関係を、どれ位客観的に理解しているか。また、経営者が、現状の営業業務の実態をどのように認識しているか。そこにかかっています。

 

㈱門倉は、全国のデパート、セレクトショップを取引先にするアパレル業を営む会社です。この会社で実際に行った「営業部門の現状分析」の事例を紹介させていただきます。何処の会社の営業にでも当てはまることが多くあると思いますので、参考にしてください。

 

 

営 業 部 門 の 現 状 の 問 題 点

 

1.商品力の弱体化

 

  ① 本来、数字が取れるべき店舗(SS店 *当社の売上上位40())

  売り場で、他店に比して当社のシェアが低い。

 

  ② 売り場に対し当社商品のテイストが合わない(見劣りする)。他社製品に

   負けているばかりではなく、売り場そのものにも負けている。

     ⇒ 商品企画が弱い・商品戦略が甘い(オリジナル性・独自性)

 

   

2.人によって担当する業務内容に差がある

  

 ① 各営業担当によって担当店舗数、担当店舗の場所地域 等がマチマチ

 

 ② 上記の問題を含め、目標設定等、担当者間での不満が少なからずある

 

 ③ 担当店舗が長期にわたり固定化している(先方担当との馴れ合い)

 

    

3.全て担当者任せの営業内容(訪問活動)

 

 ① 会社として「攻める店舗、数字を守る店舗、取引関係を見直す店舗」の

    区別が曖昧   ⇒ 会社の営業戦略がない

 

 ② 重点顧客への訪問、重点商品の売り込み・提案 等、限られた時間の中で

  メリハリをつけた効率的な訪問活動ができていない。

  

 ③ 一番、担当先を熟知しているはずの営業が数字を採れない。取れない

  ばかりか落としている現実がある。

 

 ④ バイヤーや売り場担当者だけが売り込み先だと思っている。

  そのため話がそのレベルで留まってしまい。本来、新ブランドの提案

  を行うべき営業の本丸(部長クラス)にたどりついていない。

 

 

4.営業会議の目的の曖昧性

 

① 月次の営業会議の実態が報告会(言い訳大会)になっており、一番重要な

   次月に向けての取り組み(アプローチ)の内容が報告されない。

 

社内の業務改革で一番難しいのは営業部門だと思います。工場や管理部門は、仕事の内容がある程度決まっているが故にその実態を掴むことがかなりできます。

 ところが、営業は「相手が社外であること」「取引先によって事情が異なること」というような実情があります。それ故その実態が掴み難いからです。

 

さて、皆さんは、この会社の営業の実情を、どのように捉えるでしょうか。どのように認識し、どのように分析するのでしょうか。

  

 

 ( 平成25年 6月4日 )           ©公認会計士 井出事務所