実のある経営会議(経営のサポート)

 

拙稿「実のある経営会議」では、空回りする会議を「意味のある話し合いの場」にする提案として、解決すべき現場の問題点を絞り込み、その解決策について議論することを提案させていただきました。

そこで、職場の問題解決や業務改善に成功した会社の共通点、経営会議の場での話の進め方を紹介しましょう。

 

ひとつは、経営が現場と一緒になって社内問題の解決策を考える場にしていることです。会議のメンバー全員が、目の前の問題は、会社が次のステップに進むための関門であると受け止めています。そのためには、上が現場をシッカリ、フォローし、両者が一体となって、お互いに知恵を絞ることが欠かせないと考えています。

中小企業では難題とされる「提案営業が出来る営業の育成。製品開発。不良削減のための生産方法の変更」といった問題があります。

一言でいうと「仕事のやり方を変える」ことです。しかしながら、よく考えてみるとその原因は現場任せの体質にあります。現場レベルの努力だけではどうにもならないことも多いのです。そういう難問を乗り切るためのサポートは、トップの仕事と思っていれば、経営会議はおのずと知恵を出し合う場になるものです。社、一丸となって現場の問題解決を成功させるような動きになっていることが欠かせません。

 

もうひとつは「すぐに、確実に成功する方法や失敗しないやり方は簡単には見つからない」ということを経営が良くわかっていることです。失敗は成功の元という言葉がありますが、ノウハウや技術を持っている会社は、その歴史の中でいろいろと苦労して、それを築きあげています。

何度も何度もチャレンジして、不成功を繰り返し、そこから成功への足がかりを掴み、ノウハウを得たのです。このような成功体験がある所は、地道な取り組みをコツコツ繰り返すことを苦にしません。要は、成功するまで諦めない。出来るようになるまでやり抜くことが身についています。

商品開発や製品開発を行っている開発部門の方は、よくご存知でしょうが、開発という仕事は、まずたたき台になる試作品を作り、それを何度も手直して、完成品にしていく作業です。一度や二度の改良で済むことでは決してあり得ません。開発とは「そういうもの」という経験値からくる感覚があります。

それは、上記の仕事のやり方を変えること。新たなビジネス・ノウハウを開発することも全く同じことだと思います。

少し時間はかかるかもしれないが「よその会社に、出来ていることは当社でも必ず出来る」と信じている成功するまで諦めないのが仕事。そういう考え方、共通認識が経営の根底にあります。必ず良い方向に進める方策が見つかると思って、根気よく議論をひとつひとつ積み重ねていく姿勢が会社にあります。

 

 多くの経営者、現場リーダーの方に、今一度意識していただきたいことは会社という組織は商売で成り立っている仕組みだということです。会社の業績が芳しくなければ、そこで働いている人の給与やボーナスが良くなることは難しいでしょう。経営は経営、現場は現場というような意識。経営が、現場がという役割の違いの考え方を捨てて、ワン・チームとなってビジネスに取り組みことが必要です。特に、社歴が長く、同族経営的な体質が強い会社にそのことが求められます。

経営と現場の距離を縮める。お互いが「商売をしている」という共通認識を持って仕事をする体制作りこそ、会社の数字を伸ばすたたき台になります。その一番シンプルな仕組み、話し合う場が経営会議ではないでしょうか。

 

令和3331日          ©公認会計士 井出 事務所