実のある経営会議

 

会議のやり方の良し悪しは、極めて重要なビジネス・ノウハウです。ところが、そのことに気付いていない社長さんや上司の方が多くいます。

とりわけ社員数が30人を超えるような会社で「会社としての一体感が足りない。各部署がバラバラに動いている」と感じている経営者の方が多くいます。

 

小さな会社の経営会議は、どうしても、社長一人が一方的に語るような独演会になりがちです。業界の世間話や取引先関連の雑談に終始する懇談会で終ってしまうことも良くあるでしょう。

また、会議のテーマが、どうしても現場からの報告会か、取引先からのクレームやトラブル等、目先の問題点にテーマが集まりがちです。しかしながら、それらの問題が、いつまでたっても解決しないのが経営者の悩みだと思います。また、なかなか前向きな意見が出てこないことも、イライラする原因のひとつです。

 

このようになってしまう理由を一言で言うと、経営会議の場で「何を話し合うべきなのか」会議の目的なり意味が明らかでないからです。

いつもの流れでやっているだけで、今月のテーマ、今日の議題があるようでない。そういう会議になっているのかもしれません。

ただ、毎月幹部社員が集まって「何か?」を話し合うだけでは、会社は良い方向に進んでは行きません。大切なことは「何について意見を出し合い、お互いの考えを交えるのか。そこから「何を導き出すのか」ということです。その点がハッキリしていないからメンバーからの報告会とそのコメントをするだけの場になってしまうのです。

そこで「現場の問題解決」にテーマを絞り込んで、成果につながる会議とは、どのような会議のやり方なのか検討してみましょう。「どのようなやり方」をすれば、実のある会議になるのでしょうか。 

 

会社経営は何事も現場任せでは進んでいきません。今ある問題の解決策について「その実施方法や具体的なやり方については現場で考えるべき」とその答えを彼らに振っても、いつまで経っても良い解決策は出てこないでしょう。現場リーダーの力に頼りっぱなしでは、いつまでたっても現場のレベルアップは難しいでしょう。

例えば、何処の会社でも耳にするような「基本的な職場のルール、仕事の決まりごとを徹底する」といった当たり前のテーマがあります。しかしながら、実はかなりの難問、難題です。

私の経験値からいうと、この問題を解決するには、上がリーダーシップを発揮する。言葉による「指示の徹底」というようなその場しのぎの方策では上手くいかないと思います。口頭による方法は、どうしても「やったやらない。できたできない」みたいな行き違いが起きやすいからです。各人が「もっと注意する。意識を高める」という精神論だけでは、掛け声ばかりで根本的な解決策にならないでしょう。

 

実のある会議にする。その一つの方法は、現場への経営からの相談、提案として話を持ちかけることです。

 例えば、上記の「職場や仕事のルールを徹底する」という問題をクリアーするなら、経営サイドから「来月から、上司が、チェックリストを使って、実施レベルを毎月確かめる」といった方策を提案し、それについて意見を出し合うことです。

何も特別な手段ではありません。組織のシッカリしている会社、システムの整った処では当たり前の手法です。

時には現場から「そこまでやる必要性があるのか」と言われるような現場の反発があるかもしれません。

 しかし、真剣に会社の成長を望むなら、これまで以上に一歩踏み込んだ話のやり取りが求められます。この先、打つベき対策、手段。そのやり方、方法」そこに話合いの焦点を絞り込んで討議することが欠かせません。

話し合いの内容が深まらないのは、問題解決にむけて、どこか及び腰なスタンスがあるからかもしれません。だから、いつも場当たり的な対策で終わってしまうのです。

「誰が:何を:何時までに:どのような方法で:どうして(効果の有無、実施理由)」といった、細かな点まで掘り下げた議論があるからこそ、実のある会議と言えると思います。

 

経営会議は、現場リーダーにビジネスの厳しさを伝える教育の場でもあります。彼らには、経営の考え方、発想を学び、経営の視点で考え、意見を出してもらうことが求められます。

 

( 令和3227日 )     Ⓒ 公認会計士 井出事務所