専門性で勝負する       ( 持ち味を磨く3つの切り口 その4 ) 

 皆さんはラーメンを食べたいと思ったとき、どのような店に足を運ぶでしょうか。何処にでもあるような町場のラーメン屋さん(中華料理屋)でしょうか。

 それともトンコツ系や魚介系のようにスープや麺に独自のこだわり持ったラーメン専門店でしょうか。ラーメン業界という言葉があるように、今では何処にでもラーメン専門店が多くあります。喜多方ラーメン、横浜ラーメン、尾道ラーメンのようなご当地ラーメンも、ある意味専門店の部類に入るのかもしれません。逆に、餃子、タンメン、チャーハンなど何でもたのめるような昔ながらのラーメン屋さんの方が少なくなってしまったように思います。

庶民の食べ物の代表格であるラーメンでさえ「スープのこだわり」を問われる時代になってしまいました。

 

酒屋さんでも同じような流れが見られます。日本酒専門店、焼酎専門店、ワイン専門店というようにひとつのカテゴリーに絞って、その中でナンバーワンを目指しているお店は多いと思います。その中でも、日本酒なら菊姫や十四代のような特定ブランドに特に力を入れている店。焼酎なら芋に絶対的な強みがある店。ワインならブルゴーニュの在庫が豊富な店というように、各店が独自のオリジナリティーを競っています。

その商品分野だけは誰にも負けない。他店よりその商品に強くこだわる。深く関わる。そのお店のこだわりの中での品揃えナンバーワンを目指す。

ピン・ポイントのアイテムの中では、誰よりも詳しいというように「何かしらのテーマに絞り込む」と自ずと専門性につながってきます。

「~を極める」と言った方がわかりやすいかもしれません。「そこにいけば、いつでも何でも揃う」という訳には上手くいきませんが「そこにいけば何かがある」という期待感をお客様に持っていただくことが大切です。

また専門店ならではのお客様へのアドバイスやカンセリング・サービスも大きなサービスのひとつだと言えるでしょう。もちろん、お客様がわからない基本的なことを丁寧に説明することも欠かせません。

 

 ネット社会が進んだ昨今。その一方で何でもあるが故に、何を選んで良いのかわからない時代。情報発信力の差がモノを言います。その商品に関わる情報の豊富さ。新商品入荷のような情報のスピード感は「差別化の重点ポイント」の一つです。

これは何もお酒の小売業に限ったことではありません。製造業やサービス業など全てのビジネスにも当てはまることだと思います。「専門性」というキーワードにこだわるならば、情報通といわれる人を唸らせるだけの情報を持っていて然るべしだと思います。

 

自社の得意分野に磨きを掛ける。これまで力を入れてきた自社の強みをもっと伸ばす。一芸に秀でる。業界でのオンリーワンを目指す。差別化の原点は自社の「こだわり、独自性」に他なりません。それをベースとしたニッチ市場での「看板商品創り」顧客開拓こそ経営戦略の原点だと言えます。

 

会社の発展成長を図ろうとするならば、本来真っ先に来るのが「独自性や専門性を追求する」テーマではないでしょうか。しかしながら、専門性や独自分野を切り開くには地道な努力や日々の研究、ノウハウの積み重ねが不可欠です。そういう意味で「当たり前のことを徹底する」「サービスで差別化する」ことのように今日からすぐにできることではありません。

それらとは、ちょっと趣が異なります。とても時間のかかることなのです。それ故「専門性で勝負する」という、こだわりのテーマを最後にしました。

 

( 平成25419日 )         ©公認会計士 井出事務所