当たり前のことが出来る会社になる( その1  言うは易し行うは難し)

 

毎年、社内反省会を開く、そんな当たり前のことで日々の仕事がレベルアップするのか。毎月、経営会議をすれば会社が成長できるのか、と思う方は多いと思います。一口に当たり前のことと言いますが、よく考えてみると、簡単そうで実はとても難しいことです。誰にも出来そうでできない。それが、当たり前のことです。

多くの中小企業の経営者は、そんな当たり前のことをやっているだけでは会社は成長できない。伸びる会社は何かもっと特別なことをやっている。

そう言って当たり前のことを軽視します。

例え、当社で、このような会議をしたとしても、前向きな意見も出てこないし、結局は時間の無駄になるだけと決めつけてしまいます。当たり前のことに徹することで、今後の活路を切り拓けるとは思えないからです。

 

 しかし、社内反省会も経営会議もやり方次第では大きな効果があります。実際にやっている会社は、その意味があるから開いているのです。勿論、その場に集まって、ただ漠然と話しあっても意味はありません。

どのような話をするのか。その狙い、やり方が問題です。何のための会議、話し合いなのか、そこを明確にする。実のある会議にするには、その目的、テーマをはっきりさせることが重要です。

ところが、それがハッキリしていないから、愚痴の言い合い、おしゃべり大会になってしまうのです。

残念なことに、こちらの方が、多くの企業にとっての当たり前になっているかもしれません。このような状況が良くある会議の実態ではないでしょうか。

 

 成長している会社は、前向きな意見が飛び交う社内反省会。業績を伸ばすための戦略、その内容を煮詰めるための経営会議をしています。

これらがプラス思考につながるビジネス情報の交換、仕事に関する意見交換の場になっています。それが、当たり前の会議のやり方になっています。

社内会議のやり方ひとつを取っても、他人から言われてみれば当たり前のことを実行できる人、やり遂げられる会社は、現実には少数派です

まさに「言うは易し、行なうは難し」の格言通りだと思います。

 

この「行うは難し」の部分の意味をもう少し深く掘り下げてみましょう。よくあることですが、社内反省会を開いても、一度やったきりで続かないことがあります。一回限りの反省会で終わってしまったケースです。

このような会社で、暫くしてから、三年前の議事録を見てみると「何も進歩していない。三年前と何も変っていない」ことに愕然とするものです。

これでは当たり前のことができる会社とは言えないでしょう。

口にしたことを、実際の動きに移すのも難しいことですが、その行動を続けることはもっと難しいことです。一度や二度トライしてみたからといって、直ぐに結果は出ません。実際にやってみると、考えてやっても上手く行かない。挑戦しては失敗する。その繰り返しです。それが多くの現実です。

だから、続かない。

 地道な努力を続ける。つまり、それがもうひとつの「行うは難し」です。期待した成果がないと、そこで、諦めしまったら元も子もありません。

要は、単にチャレンジするだけでは意味が無い。その動きを結果につなげてこそ意味があると「行うは難し」言っているのです。

そこには継続は力なり」と言う意味も含まれていることに気付きます。 

 

では、どうすれば期待した結果が得られるのか。そこが、当たり前のことができるかどうかの次の関門です。ただ同じことを繰り返し続けていれば、そのうちに期待した成果が得られるかと言うと、それでは難しいと思います。社内反省会の例で言うと、そこで拾い集めた反省材料から改善テーマを明らかにし、色々と工夫し、頭を使って動かなければ良い方向には進みません。新しい試みを通して、これまでの仕事のやり方を少しづつ良い方向へ修正していかなければなりません。失敗を繰り返し、試行錯誤を重ねてこそ初めて結果がついてきます。多くの失敗の中から、何を学ぶか、何を掴み取れるか。それが次のポイントです。

進歩、前進するには「学び」が欠かせません。それこそが成長の糧になります。ビジネスにも学習効果が求められるのです。そう考えてみると「行うは難し」には、さらにもう一言「失敗は成功の元」という教えも入っていると思います。

 

「言うは易し、行なうは難し」「継続は力なり」「失敗は成功の元」これらの言葉ひとつひとつは誰もが知っていることです。ところが、そのひとつひとつが当たり前のことなのか。この三つを足し合わせたことが当たり前なのか。ビジネスの現実に照らし合わせて、よく考えてみる必要がありそうです。

毛利元就の「三本の矢」の話ではありませんが、この三つの当たり前を一つにまとめてみると、とても難しいことです。現実には、このうちのひとつの格言を実行することも難しいでしょう。

しかしながら、伸びる会社はこの三つの格言を一つのものと考えて実行できます。毎年毎年「職場の問題解決」や「経営課題の達成」というひとつひとつのハードルを着実に越えていけます。それが当たり前の会社です。

ビジネスの世界では、それが当たり前のことだと思います。

どうやら、当たり前のことには「理想の当たり前」と「現実の当たり前」があるようです。「建前の当たり前」と「本音の当たり前」とも言えるかもしれません。

 

( 平成261022日 )          ©公認会計士 井出事務所

 

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