当たり前のことが出来る会社になる(その2 当たり前の仕事のやり方?)

 

今回は「当たり前のことが出来る会社」言い換えると「当たり前の経営」とは、どのようなことなのか、考えてみたいと思います。そもそも「当たり前のこと」とは意味のハッキリしない抽象的な言葉です。

相手の同意を得る際に、よく使われる便利な言い方ですね。ところが「何が、当たり前なのか」ハッキリしません「何を、基準にした当たり前なのか」それが曖昧な言葉です。 

 

例えば、日本のビジネスでは極めて当たり前の「納期遵守。納期厳守」は、世界レベルのビジネスでは当たり前のことではありません。納期遅れの方が当たり前で、返って納期を守れたことに感心されることもあります。

「納期遵守。納期厳守」が通用するのは、一部のトップ・レベルの会社だけです。それは、新興国だけのことではありません。EU加入国でも良くあることです。

 これと似通った事例が日本国内でも沢山あります。同じ請負業であっても、建設業界では、納期(引渡日)を厳守するのは当たり前ですが、システム開発の業界では、まだまだ難易度の高いハードルです。勿論、全ての会社が納期を守れない訳ではありません。守れない会社も必死になって頑張っています。

しかし、未だにシステム業界では納期を守るだけで他社と差別化できる業界であることも事実です。

 所謂、業界慣行やその業界独自の商習慣があります。しかし、その業界では通じても、他のビジネスでは通じないことも多くあることを頭に入れておかなければなりません。

 

要するに「当たり前」の意味や内容は、状況によって、業界によって変ってきます。細かく言えば、10社あれば1010様の当たり前があると思います。それが良い意味での当然当たり前のこと、常識なのか。

「今更、どうして、そんな当たり前のことができないの」的な最早通用しない悪しき意味でのことなのかは、その会社の事情によって異なります。

 いずれにしても、当たり前の内容は「仕事のやり方、進め方。そのスピード感、レベル、質」に関することです。

 

一口に「当たり前のことができる」と言っても「中小企業の当たり前」と「大企業の当たり前」は違います。また「業績が伸びている会社の当たり前」「業績が伸び悩んでいる会社の当たり前」も違うでしょう。

では、皆さんは「業績が伸び悩んでいる会社」は当り前のことがキッチリできていると思われるでしょうか。「業績が伸びている会社」でいう当たり前と「業績が伸び悩んでいる会社」の当たり前は明らかに違います。

 それは、仕事のレベル、質の差です事のやり方、進め方。そのスピード感が全く異なります。その違いが数字の差になって現れているのです。

 

伸びる会社は、電話対応や社員のちょっとした話の受け答えがシッカリしています。営業なら、注文内容や納期を確認するような何気ないことが確実にできます。どこの部署も社内の連絡事項や注意事項がしっかりと徹底されていてキチッとした仕事ができます。会社全体がシッカリしている感じがあります。

それは、ひとつひとつの細かな仕事を疎かにせず、確実にそれができることが当然のことになっているからだと思います。ちょっとした注意。確認を忘れない。それが徹底されている会社です。

 

それに対して、伸び悩んでいる会社は、どこかピリッとしない雰囲気があります。些細な手違いやミスが無くならない。ちょっとした連絡事項や約束事をたまに忘れてしまうようなことがある。もう少し注意して欲しいと思う気がします。ルーズとは言えないまでも何処か甘い所がある感じを受けるものです。

 

どのような仕事にも、ちょっとした注意事項、チェックポイントがあります。そこを、気をつけないとミスしやすい、トラブルが起きやすいポイントです。その会社や本人からすると、ちょっとしたことでもビジネスの世界では大切なことが沢山あります。その「ちょっとしたこと」を軽く見ているうちは、いつまでたっても仕事のレベルアップは期待できません。  

伸び悩む会社は、ちょっとしたことを「そこまで注意しなくとも」と勝手に思ってスルーしてしまうケースが多い思いように思います。「そこまで気を使わなくても」と些細なことを見逃しています。

 その一方で、自分達はちゃんとやっている。しっかりやっていると思い込んでいます。彼らは、何気ない小さなことが疎かになっていることに気付けません。細かなひとつひとつの仕事が雑になっていることがわかりません。だから、そこから反省材料を拾うことができません。

それ故、何気ないことができているようで、できていないのです。ちょっとしたことが、いつまでたってもできるようにならないのです。

このようなことを徹底するのが「当たり前の経営の基本」ではないでしょうか。

 

( 平成261030日 )         ©公認会計士 井出事務所

 

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