当たり前のことができる会社になる(その4 ちょっとした気持ちの持ち方)

 

 人には、誰もが実行できそうで、できない壁があります。ちょっと頑張ればほとんどの人ができること。多くの人が、かなり頑張らないと難しいことがあります。あるいは、必死になって頑張らなければ不可能なこともあるでしょう。その「難しい」のレベルを、仕事に関わる資格に例えると、ほぼ万人が取れる運転免許証があります。不動産屋さんに必要な宅地建物取引主任者のような合格率が15%強の資格は、頑張れば多くの人が合格できるかもしれません。また、中小企業診断士のように、一次試験、二次試験の通算合格率が4%のような資格だと、かなり強い気持を持って相当勉強しないと合格が難しい資格もあります。

 

ここまで、3回に渡って書いてきた「当たり前のことができる会社」になる。その当たり前のこととは、日々の仕事、それも「イロハのイ」に関わるようなことが多いと思います。現場レベルの話だと、今週のスケジュールを確認する。やるべき仕事の内容をシッカリと頭に入れる。メモを取る。忘れてはならない注や確認怠らない。大切なことは必ず報告する。このような基本的なことばかりです。

上司からすると、もうちょっとスムースにテキパキと仕事を進めて欲しい。スピード感が足りない。無責任とは言えないまでも、もう少し注意して仕事をする。もっと気を付けてやって欲しいレベルのことでしかありません。

メリハリをつけて仕事をする。前倒しに仕事を進める。上司へマメに報告や連絡をする。提出物の期限を守ることなども当てはまることでしょう。 

これらのことは、果たして細心の注意を払わないと出来ないことでしょうか。それとも、ちょっと注意をすれば誰にでもできることなのでしょうか。多くの人が、かなり頑張らないとできない高い能力が求められる仕事なのでしょうか。あるいは「少し気を付ければ直ぐにできるレベルのこと」なのでしょうか。

当たり前のこととは、先ほどの資格の話で言うと、基本的には運転免許をとるように、ほぼ万人にできることだと思いますそもそも「頑張る」という言葉自体が当てはまるレベルのことなのか。それさえ疑わしいことが多いように思います。

 要は「当たり前のことができる」その当たり前のことは、ほとんどの人がやろうと思えば誰でもができることです。誰しもがちょっと注意すれば出来ることだと思います。細心の注意を要するとか、分単位のスケジュールで仕事をするというような、何か特別なことではありません。

ところが、当人からすると頭でわかっていてもなかなかできないことがあります。それらの内容が、特段難しいという事ではありません。

ちょっとした手間が面倒みたいなメンタルの問題です。目先の煩わしさのような気持ちの一面がハードルになっています。

残念なことですが、日々の忙しさに流されて、手続き的に仕事をしていると、知らず知らずのうちに上司の方が言うような仕事のやり方になってしまうものです。そうなっていては、仕事のシビアさに欠ける、プロ意識が足りないと言われても仕方がないでしょう。   

 

 当たり前のことが出来る会社というのは、仕事のできる人が揃っている会社ではありません。優秀な社員、高学歴の人が多い会社でもありません。

基本的なことがシッカリできる社員が多い会社です。

仕事ができる出来ない。その差は、仕事に対する「気持ちの持ち方」によって変ってきます。それは、能力的な問題というよりも、むしろ一人一人への教育の問題。社員への意識付けの問題。躾の問題です。

細かなこと、面倒なことかもしれないけど、仕事としてやらなければならないことがあります。ちょっとした注意を怠らない。それを、仕事と割り切ってやることが欠かせません。そういう仕事のやり方を身につけている人が揃っている会社、それが当たり前のことが出来る会社ではないでしょうか。

良くも悪くも、当社では、そういう仕事のやり方、流儀(しきたり)になっている。それこそが、正に当社の仕事力、現場の実行力の証しに他なりません。

 

一方、当たり前のことが出来ない会社。言い換えると、伸び悩む会社は、このような何気ないことでも「忙しいから出来ない」とできない理由を先に口にします出来るに越したことはない。でも人材が乏しいので、出来なくとも仕方がないという言い訳を必ずします。「そんなことが、できたら苦労しない」と決めつけています。

そういう状況を会社が容認しているから、いつまでたっても仕事が甘い。合いも変らず仕事のシビアさに欠けるのです。社員の方も、それで構わない。細かいことに特別注意しなくても問題は無いと思いこんでしまうのです。

プロ意識とは真逆の姿勢です。その結果、できて当たり前、やるべきことができない。したがって、会社の業務レベルも、業界内でまあまあのレベルで止まってしまいます。ソコソコといわれる水準を超えて他社を一歩リードするレベルにはたどり着けません。

当たり前のことができる会社は、仕事に厳しい会社、即ち社員にも厳しいかもしれません。しかし、社員に優しい会社であっても仕事の甘い会社、レベルの低会社ではビジネスは通用しないと思います。

 

( 平成261123日 )         ©公認会計士 井出事務所

 

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