当たり前のことが出来る会社になる                   (その5) お客様にとっての当たり前

 

ここまで、4回に渡って「当たり前のことができる会社」について書いてきました。では、ビジネスにおいて一番大切な当たり前のことは何でしょうか。最後にそれを考えてみたいと思います。

勿論、ビジネスについての当たり前のことですから、商売のやり方、その「イロハのイ」に関わることです。

 

 先日、取引先の方(以下、山田さんとします)が、自宅をリフォームした時のエピソードを聞かせてくれました。上記の話に通じることなので、紹介したいと思います。

山田さんは、リフォームに際し、ネットで業者探しをしました。リフォーム業者を紹介する仲介サイトに依頼し、取りあえず5社を紹介して貰うことにしました。その仲介サイトからは、24時間以内に、直接リフォーム業者さんからメールあるいは電話による連絡をいただけるとのことでした。

そこで、山田さんは思いがけないことを体験することになりました。

 

① 実際に、24時間以内にコンタクトを取ってきたのは2社しかありませ   んでした。

 ② コンタクトを取ってきた業者の実績や内容を調べる為に、山田さんは   各社のホームページを見ましたが、HPがない会社が一社。

   ちょっと寂しい感じの内容のHPだった会社が一社ありました。

 ③ リフォームに際し、部屋の現場視察を行いますが、メモをとる。こちら   の話の内容を確かめる。細かく間取りの採寸をする。正確にお客様の   要望を丁寧に聴き取るなど、営業の対応がシッカリしていると

思った会社は2社でした。

 また、間取りの採寸を全くしなかった処が1社ありました。

 ④ 山田さんには、リフォームに際し、必ず実施するリフォーム(本体工事)     とオプションのリフォームがありました。業者さんには、工事個々に   別途工事見積もりをお願いしましたが、要望通りの見積書を作ってき   た会社は3社でした。

    残りの2社は一括工事の見積りを出してきました。

 ⑤ 工事の見積額は、本体とオプション工事の合計額で、高低3割程度の差   がありました。

また、本体工事とオプション工事、個々に見積り額を出してくれた会社   も、各々高低3割程度の差がありました。

 

 このとき、山田さんは、業者の営業対応が各社バラバラで一長一短があり、その対応力にかなりのレベル差があると感じました。営業体制の良否、現場視察の仕方、見積り方法など「どうして当たり前のことが出来ないんだろう」と思いました。営業体制が、こういう状況では、工事を依頼する立場からすると、直ぐには決めかねます。そこで、何社かに絞り込んだ上で再検討することにしました。

その結果、最終的に発注先の決め手にしたことは

 

① 工事の施工力の差は素人にはわからないので「どれ位、自分の立場で   考えてくれたか」自身の発想に一番近いのは何処の業者か。

  営業マンの雰囲気や対応力の良否

 ② 見積額の妥当性、高低

 ③ 過去の実績等の社会的な信頼性

   という三つの条件でした。

 

 世の中はドンドン変っています。特に、ここ5年で変ったことは、スマホの普及とグーグルの検索機能のレベルアップです。今は、誰もが、リアルタイムに無料で自分の欲しい情報を手に入れることが出来ます。大抵のことが比較可能な時代です。言い換えると、これから先、益々シビアな状況になっていきます。

この山田さんの話からもわかるように「待たせない。相手の話を良く聴く」といった、お客様にとっての「当たり前のこと。出来て然るべし」のレベルで後れを取っているようでは話になりません。

いくらネットで引き合い案件を増やしたとしても、その後の営業フォローの体制がお粗末では、折角のビジネスチャンスをみすみす逃してしまいます。特別に大きなビジネスチャンスでは無くとも、このような潜在的なチャンスは、いつも何処かに眠っているものです。顧客サイドからすると自身が一番良いと思った処に発注します。ですから、当り前のことができないようでは、今の時代、商売には勝てません。

 

時代の流れと共に、お客様が取引先に求めるサービス、スピード、仕事のレベルはドンドン変ってきています。顧客の求めること。それが価格なのか。サービスなのか。営業の対応力なのかは人によって、会社によって異なると思います。いずれにしても「お客様の目線で見た当たり前のこと」そこに注目してビジネスチャンスを探す。見方を変えれば、戦略を練るのも一考だと思います。

 

( 平成261127日 )         ©公認会計士 井出事務所

 

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