戦略とこだわり

 こだわりの逸品。こだわり商品。こだわりサービス。こだわり商法等々、どうも「こだわり」という言葉は、ビジネスや商売と関連が深そうな言葉のようです。   

「こだわり」の意味を辞書で調べてみると「あることに心が捉われること」と書いてあります。良い方向に解すれば、あることに特別の思い入れがあり、それに自身の思いを込めてトコトン打ち込む。何かしらテーマを絞り込み、そこに深く関わっていくことだと思います。

 このように考えてみると、こだわりという言葉には「絞り込む・徹底する・続ける」と言うような意味が暗に含まれています。そして、それは戦略の成功に不可欠な「選択と集中」の内容を表しています。

 だから「その会社のビジネスのこだわりは何か。商売のこだわりは何か。製品のこだわりは何か」と問うてみると、まさにその会社の経営戦略や商品戦略を表すキーワードが浮かび上がってくることが多いのです。

 

 

企業として何かにこだわるということは、自社が得意とする商品分野なり、独自技術なりのテーマを絞り込んで「工夫を重ねる。時間をかける。人手をかける。金を掛ける」ことです。一つのことに注ぎ込まれた膨大な企業努力は、豊富な経験値を通して、他社が真似できないような数々のノウハウや独自技術を生み出してきたことでしょう。

 

 「製品へのこだわり」から得られた様々な情報は、きっと数多くの「企業秘密」になっているでしょう。このように、こだわりのエネルギーが、その会社の持ち味や個性を形創り、専門性を高め、独自性を創っていきます。

それが、自然と他社との「差別化」につながっていくのです。

 

 商売の的を絞り込む。ビジネスのこだわりを明らかにすることは、まさにその会社の経営戦略に他なりません。だからこそ「当社のこだわり」を明確にすることが重要なのです。見方を変えれば、商売の軸がはっきりしている。

事業コンセプトがしっかりしているということになります。

 

 「シュウマイの崎陽軒。カステラの文明堂。アンパンのキムラヤ」のように「~と言えば、~()」と言うような商売の軸となる一番商品のある会社は強い企業です。主力商品がそのまま企業イメージと重なっているからです。業界を代表する商品や技術でナンバーワンになることは、経営戦略上とても大きなインパクトがあります。

 

  ( 平成2491日 )       Ⓒ 公認会計士 井出 事務所