抽象企業の月例会議

 

前回のコラムで将来像が見えない会社。あるいは、現場の「仕事の内容・やり方・進め方」が担当者任せで動いている会社。最終的な判断(決定)は誰がするのか。職場のルールや決まりごとなど、仕事にかかわることがハッキリしていない会社を“抽象企業”と呼ばせていただきました。

 

どこの会社の部署でもやっている月例会議をひとつの例にして、その事実を検討してみましょう。職場で毎月開かれる月次の定例会議。そのために作っている資料(データ)や報告書があります。

でも、残念なことに、その場やそれらの資料・書類を上手く活かしている会社は少ないと思います。

 一年365日。あらゆる業種の全ての会社に等しい日数です。しかし、現実はそれを上手く活かせる会社とそうでない会社に分かれます。ズバリ言うならば、その違いは上長(管理者・社長さん)の頭次第ではないでしょうか。

 

そもそも、忙しい中、何故、会議と言う場をわざわざ設けて職場単位で話合いをするのか。何のために報告書や資料(データ)を作るのか。その本質的な意味合いを理解していない現場リーダーが多いように思えてなりません。

 

「何のために」と言う定例会議の「目的・狙い」その目指すべき「目標」や「課題」がハッキリしていない。

  

  その原因はというと、上長の頭の中に“職場のレベルアップを図る。

自部署の目標を達成するためのやり方について、皆で知恵を出す。職場全体を良い方向に変えていく”といった考えや意識が足りないからです。

 否、例えその思いはあっても、実際には“目先の仕事のこと”しか頭に浮かびません。その思いだけが先走って、具体的な方法や新たな仕事のやり方を考える処まで頭が降りていきません。 

 

 そうなっていると、次第に

     頑張ることを頑張る 

  ⇒ 目先の仕事(目標)しか眼に入らない

  ⇒  毎日が同じことの繰り返し・ワンパターンの仕事のやり方

⇒ 現実への疲労感と将来への不安感(成長の実感を感じられない) 

   のようなマイナス思考に陥ってしまいます。このような状況では仕事に対する前向きな発想や考え方、プラス思考の意見がでてくるはずもありません。当然の如く、折角集まっても前向きな話し合いの場にはなりません。

  だから、会議という毎月の儀式。そのために皆が集まる場になってしまうのです。

 

 同じ月例会議ということをやっていても、その結果が異なるのは、その内容が違うからです。会議のやり方・進め方、その意見や議論の中身が違います。

 「現状の職場の問題点を解決する方法」「今の仕事のやり方を見直すこと」を一人ひとりが考え、全員で検討する場であってこそ、皆が集まる意味があります。「営業等の数値目標を達成する手段」のアイデアを出し、メンバー内で共有してこそ、全体が盛り上がっていくのです。

 このように目的がハッキリした会議体。一つの目標を達成するための話し合いだから、メンバーの頭の中が前向きに働いていく。そのための会議であってこそ、職場が良い方向に進んでいくのです。

同じ1時間の会議であっても、会議の場を仕切る現場リーダーの力量によって、その意味合い、効果の差は大きいと言わざるを得ません。

 

 「やらなければならないこと」は頭にあっても、それがなかなか具体的な言葉にならない。そういう悩みをお持ちの上長の方は多いと思います。

 しかしながら、上司の考えがハッキリしていないことは決して部下に伝わりません。そして、上司が実行しようとしないことは、部下も決して動こうようとしません。

  つまり、上の軸がブレていると具体的な職場の動きにならないのです。それでは、成長路線に乗れるような一枚岩の強い組織には、いつまでたってならないでしょう。

 要するに、職場のレベルアップ・会社の成長とは、上長の考え方次第です。

上が決めることを決め、指示すべきことをシッカリと伝える。上の腹 (考え)が固まっているから、それを下に周知徹底できるのです。

  部下のやる気・能力が無いと言う前に、上としての自分の考えがクリアーか。腹は決まっているか。もう一度、考えていただきたいと思います。

 

一年365日。日本の全部の会社に等しい日数です。でも1年という期間で成長できる会社とそうでない会社があります。その違いの大本は、上長の頭の中にあります。

 

( 平成28127日 )       Ⓒ 公認会計士 井出 事務所

 

 ▶ 関連項目:担当者任せにしている限り会社は成長しない

               伝えることも仕事のうち

               上司からのメッセージ

               現場の実行力を高める仕組みが成長力の土台になる              「職場の仕事の仕組み」ついて考える

       会議対策と対策会議