持ち味を磨く

 

  どこの会社にも「~社らしさ」のような特徴があります。これまで力を入れてきた商品分野。他社では余りやっていないようなサービス等、ビジネスのやり方の持ち味があります。その他にも、目立たないけれども仕事がいつも丁寧。仕事のレベルは必ずしも高いとは思わないが呼ぶとすぐ来てくれる。兎に角対応が一番早い。営業の対応が親切で好感度が高い。とりあえず何でも業界内で最初にやる。話題作りが得意等々、その会社の個性を表すような何か良い処があるものです。

よく考えてみると、あらゆる企業に「~社らしい」という持ち味があります。

 しかしながら、今以上の商売繁盛を目指すならば、今の持ち味がそのままビジネスとして通用するのか。勝てる材料なのかは良く検討しなければなりません。ライバルと戦う材料として強みがあるか。今後の成長の切り札になるのかは別の問題です。

 

 確かに「~社らしさ」のような持ち味、特徴はその会社の「将来の可能性」を示すひとつであることに間違いはないでしょう。しかし、それらが直ちに商売繁盛、自社の将来性に直結するかというと、そう単純なことでもないと思います。

 良くも悪くも売上という数字は、当社の製品のクォリティーや商品のレベル

あるいは、営業や販売のやり方に対するお客様のシビアな評価です。

現状のままのビジネス手法、やり方で良いと言えるのは、売上が伸びている会社、ある程度の実績をキープできているところだけです。

 もし業績が伸び悩んでいる状況ならば、何かしらビジネスのやり方を変えていかなければなりません。

  つまり「現状の当社らしさ」「これまでの持ち味のレベル」のままでは、

この先通用しないと考えた方が良いかもしれません。

 

 今も昔もビジネスを伸ばす決め手は、自社のセールスポイント、看板商品を創り出すことです。成長している会社は、自社が売りにする「セールスポイント」や「こだわり」がハッキリしています。そこに迷いがありません。ビジネスの核になる看板商品を持っています。売りになる独自のノウハウ、サービスがあるものです。

 業績を伸ばすには、他社とは一味違う「当社の売り」が必要です。

これまで培ってきた自社の「らしさ」をベースにした「セールスポイント」創りが不可欠です。

 「玉磨かざれば光なし」の例えの通り、今ある持ち味を商売上の強みに変えるには、従来の仕事のやり方にもう一工夫、もうひと頑張りが求められます。

従来の当社の持ち味や特徴に、これまで以上に磨きを掛けるべきでしょう。

 そうしてビジネスの軸になる、強い商材、売れる材料、勝てる個性を創っていかなければなりません。 

 

 そこで思い出していただきたいのが「こだわり」と言う言葉です。

「こだわる」ということは「ひとつのテーマに絞込み、長い間それに取り組む」ことです。まさしく、経営戦略でいう「選択と集中」にピッタリ当てはまる言葉です。一つのことにこだわるから新しい知恵が出てくる。トコトン突き詰めることで独自のノウハウが生まれてきます。

こだわることで「当社のセールスポイント」のヒントを見つけ、それを膨らまして行く。それは、これまでの持ち味を磨くことに他なりません。

その背景には、今時のお客様の事情があります。彼らは特徴やこだわりのような自身を惹きつけるものがないと関心を持とうとしません。チャームポイントがハッキリしていないと振り向いてくれないのです。

特徴のない代わり映えしないものは良くないものと決めつけてしまいます。      

 だからこそ「当社のセールスポイント」「他社との違い」をクローズアップしなければなりません。当社の売りが明らかでないとお客様の選択肢の一つにさえなれないのです。営業の立場からすると話を聴いてくれない。聴く耳さえ持っていただけないのです。 

        

 では何にこだわるか。それこそが当社の経営戦略です。これまで築き上げてきた持ち味にこだわるも良し。あらたな持ち味創りにチャレンジするのも良いでしょう。そうして「~社ならではの」と言われるようなチャームポイントを一つ一つ創る。それらを積み重ねて「やっぱり~社じゃないと」「流石、~社だね」と言う「独自のセールスポイント」を築くこと。それが営業的にとても重要です。

 

  ( 平成25年7月1日 改訂 )      ©公認会計士 井出事務所

 

  ► 関連項目: 持ち味を磨く3つの切り口

              戦略とこだわり