先日NHKで「大廃業時代」という番組を見ました。経営者の高齢化・後継者がいない等、廃業に至る理由は、その会社によって様々でしょう。しかし、少なくとも会社の業績が一定レベルの数字を残しているのであれば廃業という選択肢にはならないと思います。

 

会社経営において採算性の確保は避けては通れない問題です。何を今更と思う方も多いと思いますが、それが多くの中小企業で出来ていないのも今の日本の現実です。会社が、会社として成立つのは、会社経営が維持できるレベルの結果、即ち利益を出しているからです。逆に、会社が赤字になってしまうのは、経営として結果が残せないからです。

 

 

 

ビジネスは競争社会という仕組みの中で成立っている生存競争です。その事実を、シッカリと頭の中に入れておかなければなりません。「景気が悪い」と言って、前年並みの業績を維持することが難しいようでは、数字の改善は到底望めないでしょう。ちょっと厳しい言い方かもしれませんが「時代の流れだから仕方が無い」と言って、商売をたたむ(廃業する)のは、その競争に負けたからとも言えます。

 

そこで経営者に身につけていただきたい感覚が「数字(業績)に対する意識」です。会社を伸ばす経営のプロとしての自覚といっても良いでしょう。会社の業績は「人並み、そこそこ。まあまあ」で大丈夫などと思っていると、いつの間にか経営が厳しいことになってしまうかもしれません。結果に対する緊張感があるからこそ、ビジネスに対するシビアさが生まれてくるのです。

 

 

 

その感覚を養うために欠かせないのが「月次決算」です。会社経営の基本の一つとも言えるでしょう。

 

毎月「先月は、いくら売上があったのか。どれ位の利益があったのか」チェックする仕組みと言い換えても良いでしょう。経営や経理の仕事に携わっていないと、以外と気付かないことかもしれませんが、どんな会社であっても、毎月の売上は同額ではありません。2・8(ニッパチ)と言われる月は、多くの業界で比較的手隙の時期と言われますが、そういう月は当然の如く会社の売上も下がります。しかしながら、現場の仕事が暇だからと言って、社員さんの給与が下がるわけではありません。したがって、その月の会社の業績は当然平均的な数字よりも下がります。

 

同じように会社の費用も月によって違います。例えば、7月と12月は費用の総額が大きく増えます。ボーナスの支給があるあるからです。3月と9月にも出費がかさみます。定期券を買う社員がいるから交通費が増えるからです。と言うことは、会社の利益も、毎月同額ではありません。

 

 

 

小さな会社(家業)では、月次決算をやっていない会社も珍しくありません。こういう会社の社長さんは、

 

「月々の売上さえ見ていれば、だいたいの数字(一年間の儲け・利益)はわかる。だから、毎月決算をしなくても大きな問題は無い」と言います。ところが、こういう会社の数字が右肩上がりになっているかというと、どうもそうではないケースが多いようです。良くて、現状維持が精一杯で、どうしてもジリ貧になりがちです。 

 

 そうなると、銀行からの借入れがある会社は、返済が予定通りに行かなくなるかもしれません。従業員の給与の支払いが難しくなることもあるでしょう。こういう風になったら、経営的にはもう手遅れの状況です。

 

社長一人の勘に頼った経営では限界があります。マイペースの会社経営では、着実な業績の向上は期待できないでしょう。それ故、経営にも会社の定期健診が欠かせません。早め早めの数字のチェックは「経営の基本」とも言えるでしょう。そのために欠かせないのが「月次決算」だと思います。

 

 経営者の「数字(業績)に対する意識」即ち、それこそが会社経営に対する意識には他なりません。それが、緊張感のある経営ビジネスへのシビアさになって表われてきます。 

 

 

 

 (令和元年10月23日)