SWOT分析について( その4 「強み」と「弱み」 )

 

経営戦略を練る手法の一つにSWOT分析があります。そこでは、業界トレンドや時代の流れのような自社の力では変えらない状況。つまり、経営環境を「機会(チャンス・好機)」と「脅威(ピンチ・リスク)」に分けて考えます。

それに加えて、営業力や製品、商品の開発力のような戦力の視点から「戦略の可能性」を検討します。

何をするにも、実際に会社を成長させる原動力となる力が必要です。

それこそが、戦略を成功させるのに欠かせない戦力だと思います。

言い換えると、ビジネスノウハウの有無であり、その優劣です。そこを軸に自社の「強み・弱み」という観点から現状分析を行います。

 だからこそ、当社は「何ができて、何ができないのか。何処が強くて、何が足りないのか」を客観的に見つめ直すことが求められます。

当社の実行力、会社の現有戦力の事実を確かめなければなりません。

「言うは易し、行うは難し」の例えのとおり、いくら優れた戦略であっても、机上の空論では意味がないからです。

自社の「強み」と「弱み」は、ビジネスの成功に欠かせないビジネスノウハウや技術力の有無、その優劣と思っていただければ良いと思います。

もしくは「将来の可能性、ビジネスの芽」となる材料が有るか無いかを、確かめることです。より具体的に言うならば、技術力、開発力、提案力、営業力のような「現場の実行力」のことです。それに関わるビジネスノウハウ、業務ノウハウと言い換えても良いでしょう。    

 

「強み」を表す、一番わかりやすい言葉は「ブランド」です。古くからある「虎屋の羊羹」「崎陽軒のシューマイ」「文明堂のカステラ」のように商品名と会社名が一致するような状況です。

そこまで行かなくとも「明確なセールスポイント。当社の売り。一番商品」がハッキリしていることは、大きな強みです。一般的に「当社の強み」と言えるものを、もう少しわかりやすく見てみましょう。

 以下のような「~力」と付く言葉が当てはまるなら、強みになることと言っても良いと思います。

 

 * 製造業であるなら「~分野の技術力」「製品の開発力、品質管理力

       のような技術力」

 * サービス業なら「~社ならではの独自サービス・専門性、オリジナリ   ティー、一味違うサービス力、対応力」

もしくは「提案力、企画力、接客力」

 * 店舗営業なら「主力商品、一番商品、売れ商品、自社ブランド」

「品揃え(調達力)」もしくは「地域一番、サービス力、接客力」

 

 この他にも「~へのこだわり、~に徹する、~一筋」というような

独自 性・専門性

業界内での優位性を表すような、~の分野では「他社より一日の

長がある~力。他社を一歩リードする~力」

 得意分野(得手にしていること)・得意技

 

 「当社の強み」を洗い出す際のポイントは「~が確実にできる」というような具体的な仕事の内容を示すことです。自他共に認める強み。業界内でも一目置かれる力」と言われるような客観的な事実であるならば、さらに望ましいでしょう。同業他社から「良い仕事をする。シッカリしている会社」と言われるのか。「仕事のレベルはマアマア、そこそこの会社」と言われるのでは大きな違いがあります。そこに「一日の長がある」と言えるハッキリとした持ち味。これまでに力を入れてやってきた具体的な事実、積上げてきたビジネスノウハウが欲しい所です。   

 

その一方、強みとは裏腹に「当社の弱み」を表す一般的な代表例が「これと言った特徴が無い」ことだと思います。

 「日々の仕事を疎かにせず、コツコツと真面目に取り組んできた」という会社は多いでしょう。しかし、それが他社との差別化要因になるかというと難しい処です。何故ならば、それは他社も同じことだからです。

 少なくとも「他社と互角に戦えるビジネススキル。業界内で十分通用するレベルの業務ノウハウ」がないと、今後の見通しは明るいものではありません。商売を伸ばす軸にするものが見当たらないからです。

 

頑張っているけども、伸び悩んでいる。あるいはリピートが減っている。ジリ貧の感がある。このような状況では、お世辞にも強みがあるとは言えません。問題が無い会社などありません。しかし、今の状況が改善されないのなら、お客様の信頼は離れてしまいます。現状の問題点を少しでも良い方向に改善する。その積み重ねこそが他社と差別化するノウハウになり、ひいては当社の強みになります。「力を蓄えること」それこそが戦略の第一歩です。

 

従来通りの「商売のやり方」でこの先もズーッと通用する会社などありません。それでは時代の流れから取り残されるだけです。頭を切り替えて「商売のやり方」を変えていかなければなりません。それこそが「経営戦略」を考える目的だと思います。

 

( 平成26922日 )       ©公認会計士 井出事務所



► 関連項目  SWOT分析について

              (その5 当社の持ち味を活かして「強み」を創る

                 お客様の目線と経営戦略商売熱心と仕事熱心               客観的に物事を見る眼を養う