戦略を数字で語れる営業幹部(その2) 予算管理の基本

戦略を数字で語れる営業幹部。即ち、数字を読める営業幹部です。営業戦略を数字で示したものが営業予算に他なりません。そして、月々の実績を積上げていくことが、年間の営業目標を達成することです。

彼らは「その実績をどのようにして積上げていくのか」そのハッキリとしたイメージを持っています。どのお客様、どの商品にこだわって数字を取っていくのか。一年なり半年の営業活動の具体的なシナリオを描ける人達です。それができる人と、いつも出た処勝負、結果オーライの人では結果に差が出て当然です。

 

不思議なことに、。昔から営業の予算管理はゴルフのスコア・メイキングに例えられます。プロは、その日のコンディションや自分の得手不得手を考えて、必ず攻めのホールと守りのホールをイメージします。どのホールでスコアを稼ぐのか。どこのホールをしのがなければならないのか。予め、プランニングします。そのシナリオを描き、その通りにプレイするのがプロの腕の見せ所だと思います。

ところが、プロであってもショートホール(パー3)が得意な人もいれば、ミドルホール(パー4)はお任せという人、ロングホール(パー5)はイケイケで回るという人もいます。逆に、ショートが苦手、ミドルが不得手、ロングは兎に角、我慢、辛抱と言う人もいるでしょう。

当初の狙い通りに、その日のコースを攻略できれば苦労しません。現実には、そのようなことはありえません。どこかでボギーを叩いたら、必ず、どこか別のホールでバーディーを取らなければイーブンには戻りません。思い通りにならないスコアをどのようにまとめるのか。何処のホールで勝負してスコアを伸ばすのか。そこも、またプロの腕の見せ所でしょう。

 

営業予算管理の基本的な考え方は、ゴルフのスコア-・メイクと全く同じ考え方だと思います。それが、パーというスコアなのか。前年実績という数字なのか。その違いがあるだけです。 

要は、足し算と引き算しかありません。対前年比で、どれだけ増やすか、どれ位目減りを押さえるかです。それを、実際にどのようにコントロールして目標を達成するのか。そこが、できる上司の仕事です。

             

予算管理を実施する際に、忘れてはならないことは営業戦略を明らかにすることです。「何処の得意先で稼ぎを伸ばすのか。どの商品で数字を取るのか」商売の的を絞り込むことが欠かせません。

取引先の状況を、よく見てみると、もっと数字を伸ばせる取引先もあれば、この先先細りしかないという処も少なからずあるでしょう。もっと稼げる商品もあれば、もう限界に近い商品もあるでしょう。

客先の現状を細かくチェックして洗い出し、数字を伸ばせる可能性を探ります。まず「攻める処」と「守る処」をハッキリさせることが大切です。

最終的に、それが目標を達成する軸になる重点顧客と重点商品を絞り込むことになります。次に、そこから重点顧客をキーにして「どのような提案、アプローチをして結果を出すのか」戦略の内容をシッカリと煮詰めることが欠かせません。このようにして、営業戦略を一つ一つ具体化していきます。

 

多くの会社で見かける予算管理の問題点は、肝心要の営業戦略が不明確なことです。戦略が有名無実化しています。社としての方針や目標はあっても、それを達成するための「具体的な(社の)作戦」がありません。

取引先個々のアップローチを、担当者任せにしている会社がほとんどです。現場の乗りと勢い、精神論だけでは目標は達成できません。個人の力でできることと会社としてやるべきことを分けて考えるべきです。

ファッション関連ビジネスでは、年二回の新作発表の展示会は欠かせないものです。消費財メーカーやサービス業でよく見かける「お試しキャンペーン」は最早皆さんにとっても珍しいものではないでしょう。

他業界、他社のこととツイツイ見過ごしてしまいがちですが、色々な会社が、実に多くの営業戦略をやっています。どの業界でも、一歩先を進む会社は、お客様の関心度を高めるための仕掛け創りを怠りません。

予算という数字は「どのようにして目標を達成するのか」その戦略(シナリオ)と表裏一体の関係を為すものですですから、戦略が明らかでないと予算は動きません。営業戦略を数値で表したモノが営業予算だからです。できる営業部長が戦略を数字で語れるのは、そもそもの戦略が頭の中でハッキリしているからです。

 業績を伸ばしたい。数字を取りたいと思うならば「社として仕掛ける営業戦略」を明確にすべきです。取引先へのアプロ-チの方法、営業体制についても「他社との差別化対策」を打ち出すことが求められます。

 

ビジネスは、勝負処をシッカリと読んで、そこに十分な手(提案活動)を打てば大きな失敗はしないものです。それは営業の仕事も同じです。

今期の予算を達成するポイントは、重点顧客(得意先)であり、重点商品であり、アプローチの方法です。これらの勝負処を大きく外さなければ、多少の読み違いはあっても何とかリカバリーはできるものです。だから、彼らは、目標に「いけるいけない」が読めるのです。

 

( 平成26715日 )         ©公認会計士井出事務所

 

 

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