継続訪問とHP(ホームページ)の役割

HP(ホームページ)をよく見ていると、何となくその会社の奥行きとか、懐の深さみたいなものが見えてくるんですね」もう十年以上も前に、銀行の融資担当者と話をしていた時に、彼の口から漏れた言葉です。

その時は、ただ何となくHPは色々な人達が様々な視点で見ているのだと感心したものです。

 あたりまえのことですが、HPを見るのは既存の取引先や潜在顧客の人達だけではありません。その金融機関の人が言ったことも、あながち外れたこととは言えません。一つの的を射た意見だと思います。

 

新規営業の初期段階で継続訪問が難しくなってしまうことは良くあることです。近頃は、何処の会社も忙しいので目的のハッキリしない訪問は迷惑がられます。アポと取ろうとしても「何か、良い話でもあるの」と聞かれ「無いなら、また次にして」と言われて足が遠のいてしまう営業も多いかと思います。初回訪問時に、先方が関心を示したにも関わらず、次のアポが取れなくなってしまうこともあります。

 そこで、思い出して欲しいのが先程の銀行マンの話です。ビジネスの関心度が高いほど、先方の担当者はHPで営業にきた会社の内容、もしくは製品情報を、よく確かめようとします。今時、HPのない会社は珍しいので、色々なことをチェックします。そこで問題になるのが、HPの内容です。

訪問先の担当者が知りたいこと、聞きたい話、確かめたいことは、おおよそ決まっているものです。彼が探している情報、もしくはそれに近いヒントになるような話が、そこにあれば、もう一度話を聞いてみようと思います。その一方、HPの内容がちょっと物足りなかったり、情報のレベルが寂しいようだと、残念ですが、その時点で営業の仕事は終わってしまいます。

例えば、ネット通販で初めての商品を買う時のことをイメージしてみてください。いくつかのHPやサイトを調べて、それらを比較して選ぶと思います。何社かのHPを見比べて、自身が一番納得できる内容のあるHPの商品に関心を持つと思います。写真しか無かったり、商品説明(情報)が物足りないようなHPは、一度見たら、もう見ないでしょう。訪問先の担当者にも、これと全く同じ心理が働きます。

 

 HPは当社の内容、力をチェックされる手段になっています。営業は、そのことを忘れてはなりません。訪問した際に話したこと、内容を確かめられています。裏を取られているといっても良いでしょう。

仕入の担当、あるいは購買・資材、あるいは外注業務など仕事の発注権限のある部署の人達にとって、HPは、営業に訪れた会社の中身をチェックする一番手軽な手段です。彼らは、取引をしている各業界の会社のHPを多く見ています。だから、何となくですが、そこから来訪した会社の力やその可能性を読み取ることができます。その会社のビジネスへの取り組み方、姿勢がわかるようなセンスを身につけています。

それならば、今の時代、このような発想に備えることが欠かせません。

HPの充実は営業活動の一環と位置づけるべき極めて重要な戦略のひとつです。特に、会社相手の営業の場合、営業の仕事をバックアップする手段としてHPの活用法をもっと検討すべきだと思います。特に、知名度の余り無い中小企業ほど重要です。

 

当社の持ち味をシッカリと受け止めていただくには、他社とは一味違うコンテンツ、内容の濃さ(充実)が求められます。HPを通して期待感を膨らませることが大切なのです。

技術力が勝負のビジネスだと「職人(技術)のこだわり」みたいなメニュー(項目)で自社の独自技術や技術レベルをアピ-ルしているHPは珍しくありません。 「~の為に、~の為の」というような自社製品のこだわりを丁寧に伝えることも大切です。他社よりも細かな気配りを感じる内容、よそでは余り見かけないちょっと突っ込んだ材料(情報)があれば当社の好感度が上がります。より具体的で、わかりやすい内容(コンテンツ)こそ、他社と差別化する絶好のアピールポイントです。

最終的に、HPを通して「こんな会社があったんだ」と業界内で頑張っている会社として認められることが欠かせません。会社としての成長を目指すような様々なチャレンジや、そのための細かな取り組みがオープンになっていると、人はその会社を応援したくなるからです。

 

ネットメディアは規制を受けない自由なメディアです。逆に、そうであるが故に、その会社のHPの作成目的、狙いの有無、その明確度が問われるメディアでもあります。それこそが本槁の冒頭で述べた「その会社の奥行き、懐の深さ」に他なりません。

 取引先の眼には、当社のHPがどう写るのか。それを考えることも、営業の大切な仕事の一つです。

 

 ( 平成26818日 )          ©公認会計士 井出事務所  

 

関連項目 ►  営業ノウハウの仕組みと継続訪問

お客様の目線と経営戦略

「当たり前のことに気付く」難しさ

「商売熱心な会社」は情報発信を欠かさない

「お客様への想いをメッセージにして伝える」