ビジネス・センスを磨く手段としてHPを活用する

 

ネット・ユーザーは何のためにネット検索をするのでしょうか。その基本は、自分の要望や好み、イメージに合ったモノ。自分が欲しいもの(商品・製品)を手に入れるため。知りたいこと(情報)やわからないことを調べるためです。 あるいは、PCのトラブル等、何か困ったことがあったとき、その解決方法を知るためだと思います。その発想をビジネスの視点に活かすと「欲しいものを買うため」「求めるサービスがあるなら、それが出来るお店を探すため」です。要は、お店なり、売っている所・買える所(会社)を探しているのです。

 

 彼らが、探し物をしているならば、その探し物に応えるのがHP(ホームページ)の役割であるべきです。HPのビジターは、ある意味見込客です。ですから、HPは検索した人が求めるものなり、期待すること、その答えとなる情報を確実に提供することが欠かせないと思います。

つまり、お客様のためのHP、ユーザーに役立つサイトになっていなければ、創った意味がありません。当社の会社案内や社長さんの自己紹介といった自己満足のHPでは意味が無いのです。

 

 検索する人は、その会社(製品・モノ・サービス)の優れた処、特徴を探しています。まず、知りたいことは、他社と比べて「何にこだわっているのか。何処が優れているのか。何が得意なのか。何処に力を入れてやっているのか」そこです。見方を変えれば、それは「当社のセールスポイント」や「こだわり」に他なりません。

 そう考えると、HPで、まず最初に伝えるべきことは自社製品やサービスの「セールスポイント」です。アピールすべき自社の「強み」や「売り」を絞り込み、わかりやすく伝えること。それこそが、Webコンテンツ(HPの内容)の最重要ポイントです。

HPの狙いについて、考えてみると面白いことに気付きます。それは、HPという情報メディアは、その会社の「商品(製品)戦略」や「経営戦略」を表しているということです。とりわけ、広告メディアを持てない中小企業のHPに、その傾向が強いと思います。

つまり、内容が具体的で情報量の多いHPの会社ほど、自社の戦略がハッキリしています。逆に、何でも出来ます。何でもやりますという会社は戦略がないのです。だから、HPもピントの定まらないモノになってしまうのです。意外にも、そのことに気づいている人が少ないのではないでしょうか。

 

戦略が見えにくいといわれる受注(請負)業で、そのことを検討してみましょう。例えば「大阪 鋼材加工」というワードで検索してみましょう。すると、HPを開いている数多くの会社が出てきます。それらのHPをひとつひとつ観てみると、その会社がどのような分野に強みがあるか、得意な技術が直ぐわかります。

眼鏡のような精密技術を要する製品(消費財)の独自技術のケースもあれば、工作機械や食品加工機といった生産財の鋼材加工技術に、一日の長がある場合もあるでしょう。また、生産工程をビジュアル的にオープンにしている会社もあれば、自社の製造設備の内容を表示している処もあります。上位検索される会社ほど、その内容を具体的に細かく伝えているものです。

まさにHPは各社の“経営戦略の事例集”と言っても過言ではありません戦略情報の宝庫なのです。

 

 当社の戦略がハッキリしない。「この先、どのように動いて行けば良いのか、わからない」という経営者の方がいます。しかし、同業他社のHPを20社くらい調べてみれば、一歩先を行く会社が、お客様に向けて「どのようなことをアピ-ルしているのか。そのアプローチの方法や内容」を読み取ることができます。そこから業界のトレンドや動きもわかるでしょう。

 他社のHPは、社長さんにとっては戦略策定のヒントを掴む手段になるかもしれません。情報感度や経営感覚に乏しいと思える幹部社員に向けては、彼らのビジネス・センスを養う良い教材になると思います。

ライバルの動きや業界の流れを細かく分析する。経営情報の感覚を磨くツールとしてHPを活用するのも一考です。

 

 ( 平成28317日 )        Ⓒ 公認会計士 井出 事務所

 

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