確認というコミュニケーション

社内コミュニケーションは「報・連・相が大切」とは、今もよく使われる古典的な格言です。しかしながら、多くの場合それが実際に役立つ話になって伝わっていません。

 報告が悪い。報告をしない。報告が遅い。報告の内容に漏れが多い。連絡しない。連絡を忘れる。連絡が遅い。連絡が遅れる。連絡の内容に漏れがある。

相談なく勝手に動く、勝手に決める。相談するタイミングが遅い。

 もし貴方の職場にこのような状況が当てはまるならば、仕事上多くの行き違いや不手際があり、ミスやトラブルが絶えないと思います。職場内のコミュニケーションが上手く取れていないからです。

 

 実際のビジネスの現場では取引先の動きや周囲の事情によって次から次へと状況は変わります。部下にしてみればちょっとしたことであっても、上司の立場からすれば大切なことかもしれません。ですから、その事実を上司の耳に入れるべきでしょう。

また、部下の一存では判断できないことがあります。上司からすると勝手に決められては困ることもあります。このような時、上司への連絡、報告、相談は欠かせません。

 

 会社は役割分担で一人一人が仕事をする仕組みです。各人がチームワークを第一に考えて仕事をするから職場内の連係プレーが上手くいく。皆の気持ちが一つになっているから職場全体の仕事がスムースに動くのです。    

 それには「報告・連絡・相談」というコミュニケーションを通して皆が共通認識を持つことが大切です。仕事をする際に、現場の実情に関わる情報交換を怠ってはならないのです。                

 そもそも、コミュニケーションは伝え手と受け手の関係で成り立つことです。いくら話し手がしっかりと伝えても、聞き手が上の空で耳にしていてはコミュニケーションはとれません。両者共に同じことが頭に入っている。

お互いにそのことを知っている。双方の共通認識が取れてこそ始めてコミュニュケーションが成立します。

 だから、お互いに共通の目的なり、同じ状況を理解して動かないとチームワークの良い仕事はできません。

 

 部下の仕事の進み具合やその状況に関わる情報交換をして共通認識を得る。報告書の提出期日を守るよう上司が指示したことを部下が確実に実行するように念を押す。行き違いや不注意、不手際が起きないようお互いに注意事項を確かめる。

伝え手と受け手の関係が成立したのか伝え手が確める。そこに確認の意味があります。 上司と部下の関係についても全く同じことが言えるでしょう。「一を聞いて十を知る」ような部下はまずいません。一度、指示したきりでは通じません。言いぱなしは言わないのと同じです。一度、言っただけでパーフェクトな仕事ができる人は少ないでしょう。

 

 このようにみてみると、ビジネスを行う上で最も大切なのは「確める」というコミュニケーションだと思います。様々なミスやトラブルの原因となる行き違い、不注意、不手際、不行き届き、不都合は、最終的に、確認漏れや確認遅れ、確認忘れのようなミスコミュニケーションが原因です。

「いちいち言わなくてもわかるだろう。今更、改めて注意しなくても大丈夫だろう」という上長の思い込みは禁物です。勿論、何度言っても同じようなミスを繰り返すような部下の方にも問題もありますが、上司サイドにも、その原因が無いとは言えません。

 このようなミスコミュニケーションの大部分は「確めること」で減らすことができます。ですから、仕事のできる上司は「念の為確める。念を押す」という確認を怠りません。仕事を始める前に今日の注意事項を確めることを欠かしません。

 要するに、ミスコミュニケーションを無くすのは「確認」というコミュニケーションに他なりません。コミュニケーションで最も欠かしてならないのは確認ではないでしょうか。

 

 (平成24年 10月18日)          ©公認会計士 井出事務所 

 

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