コミュニケーションの仕組み(報告)

 

 5年前、10年前と比べて確実に成長している会社に共通していることが有ります。それは「会社の仕組みがしっかりとしている」と言うことです。

特に「会議のやり方」や「報告書の活用法」など、何処の会社でもやっているような「仕事のコミュニケーションの仕組み」がしっかりしている点に一日の長があります。

 トップがいちいち細かな指示をしなくても日常業務が回るような仕組みになっています。関連部署や各担当者とコミュニケーション(共通認識)を取りながら、自律的に仕事を進められるような組織的な動きができる会社です。また、職場内に、仕事のやり方、進め方についての共通認識があり、社員が一定レベルの仕事が確実にできるように徹底されています。

 逆に、伸び悩んでいる会社の多くは、このような仕事上の基本的なコミュニケーションに問題を抱えています。

 

 何処の会社でも、よく見かける「報告書のやり取り」を例にして、日常業務のコミュニケーションのあり方について検討してみたいと思います。

 

1.記述内容のレベルがバラバラ

 多くの会社で、担当者によって報告書の記載内容の具体性や細かさのレベルがバラバラということがあります。あるいは、上司に報告すべき内容、ポイントが抜けていたり、漏れている。上司に伝えるべきポイントを部下が理解していない。各担当が自分のやり方、スタイル、自分のペースで仕事をしていると、報告書は往々にしてこのような書き方になります。

とりもなおさず、それはその職場のメンバーの仕事に対する意識がバラバラであることを意味しています。当然、仕事のやり方、進め方もマチマチになっています。そして、その違いは担当業務の実行力の差になって現れます。

 

2.上司がめくら判を押している     

 「特に変わったこと、異常はありません。通常通り。順調です」のように簡単な記述で済ませている業務報告をシバシバ見かけます。このような書き方に特別問題を感じない。部下のレベルを考えればいたし方ないとしている上司も多くいます。報告書に目を通せば良いくらいの感覚で済ませているからです。

 書いてあることが曖昧であったり、その内容が大雑把でハッキリしないときでも、その事実関係を確かめようとしない。その内容を掴もうとしないのは、部下の動きから目が離れている状況だと思います。

仕事はその日()のうちに終わるものだけではありません。先に向けて準備する仕事もあります。その進行状況を確かめるのも上司の仕事です。

多くのミスやトラブル、クレームの原因は「不用意、不注意、準備不足」です。何でも部下任せにしていては、仕事のレベルアップは難しいと思います。

  この他にも、報告書の提出が遅いという問題もありますが、報告と言うコミュニケーションが形式的になってしまうのは、以上の2点が主な理由だと思います。

 

3.報告のフィードバックを活用して部下を指導する

 報告書の内容がハッキリしない、書いてあることが曖昧なときは、部下を呼んで、まずその事実関係を確かめるべきでしょう。その内容を訊いて問題点があれば注意すべきです。改めるべき点があれば指摘してアドバイスをする。それが上司の役割です忙しいからと、時間を惜しむべきことではありません。部下を信頼していても、念のために彼らの仕事の状況を確認する。それが組織的な仕事のやり方です。

ところが、アヤフヤな報告やハッキリしない報告を「仕方がない」と諦めているようでは、いつまでたっても職場の業務レベルは改善されません。部下の仕事のレベルのバラツキは無くならないと思います。こうなってしまうのは上司が部下とのコミュニケーションを疎かにしているからです。

報告では、担当業務の進み具合を訊き、今後の進め方、予定を確かめることが欠かせません。もし、仕事が遅れているならば、適切なアドバイスやサポートをすべきです部下の仕事のレベルがバラツキくのは、当社の社員として、求められる仕事の内容、レベルを理解していないからです。仕事のやり方、進め方、その際の注意事項など、仕事に必要な細かさや注意が足りない。

だから仕事が上手く行かない、もしくはミスがなくならないのです。それは、上司と部下の間で仕事のやり方に対する共通認識がとれていないからとも言えます。

 

  上司の方は、今ある報告書という仕組みをもっとうまく使うべきだと思います。報告を部下と話し合い、彼らを指導する場にしていかなければなりません。技術やスキル、ノウハウを伝える場として活用することを忘れてはいけないのです。報告書というツールを使って担当者一人一人のスキルアップや実行力を上げるような仕組みにすべきなのです。このように何気ない報告という日常的なコミュニケーションの仕組みも、上司がその狙いや意味を掘り下げることで、部下をレベルアップする仕組みになります。

 

 部下を指導することから上司として学ぶことは沢山あります。報告書を通して部下と真剣に向かい合う。それはまた自身が上司としての仕事、役割と向かい合うことでもあります。それを、避けていては、上司としての成長も難しいと思います。部下から信頼される上司にはなれないでしょう。

 

( 平成25912日 )

 

► 関連項目: 辛抱強く話し合う(部下指導)

        確認というコミュニケーション

                   伝えることも仕事のうち反省材料を拾う