「メリハリをつけて仕事をする」その狙い

 

 現場の担当者は日々の仕事に追われています。先を見て動けといっても実際に動ける人は少ないものです。先を見る余裕がないというのが本音でしょう。期日守ると言うような仕事の納期管理のレベルにアップアップしています。

 往々にして、スケジュール管理が苦手な人は、目先の仕事を最優先して、成行き任せで仕事をしています。いつも目先の仕事のことしかわかりません。

彼らのような人達は、余裕のある時に段取りを前倒しに整えておくとか、いつもより少し早めに仕上げておくというような仕事のメリハリがつけられません。頭にあるのは目の前の仕事のことだけです。だから、何か一つでも予定がくるうと後手後手に回ってしまいます。

 同じことは、管理者の職場の業務管理の仕方についても言えます。黙々と日々の仕事をこれまでと同じ方法でこなす。部下にタイムリーに指示を与え、遅れることなく仕事をスピィーディーに片付けることだけが日常的な業務管理の目的ではありません。

管理者の役割は、前倒しに仕事を進めるだけでなく、もうちょっと先を見据えた動きも必要です。先を見て動く、線の動きも大切ですが、もう一歩突込んで、面の動き、即ち職場全体のことも頭に入れて欲しいものです。

業務の先行管理だけでは、部下のレベル、自部署の業務レベルは上がらないからです。

       

 通常の仕事の中でも、今月は特に神経を使って欲しいという仕事の内容があります。「ミスしました」では許されない仕事もあります。もっと手際よく速くできるようにして欲しい仕事もあります。逆に、もっと時間を掛けて丁寧にやらなければならない仕事もあるでしょう。部下に任せておいて大丈夫な仕事もあれば、目を離してはいけない仕事もあるかもしれません。

 よく考えてみると、シビアな視点で見ると、マダマダと思うような仕事の内容、レベル、やり方が多いことに気付きます。これまで通りのやり方のままでは物足りないという内容の仕事もあれば、レベルアップしなければ、この先通用しない方法もあります。大切な仕事は目先の仕事だけであるとは限りません。

部署として、これまで以上に力を入れるべき業務内容やレベルアップが欠かせない仕事があります。職場全体として取り組むべき仕事の重点ポイントが少なからずあるものです。

 管理者の方からよく「自部署のテーマ設定の仕方がわからない」というお尋ねをいただきます。しかしながら、ちょっと目線を上に置いて現状の仕事のやり方を眺めてみれば、思い当たることが少なからずあるものです。

 まさに、それが職場の現状分析であり、テーマ設定のきっかけに他なりません。職場の仕事を、部下任せ、成り行き任せにしていると「見過ごしている大切な仕事」が沢山あることに気が付きせん。

 

無論、その会社の状況、その職場の事情によって、大切な仕事の意味は異なります。部下の実行力、職場全体の実行力を上げる。もっとレベルの高い仕事ができるようにする。ライバルに勝てる仕事ができる業務ノウハウを固める等、様々なテーマがあります。それらを出来るようにするには、部署として「仕事にメリハリをつける」ことが必要です。

メリハリをつけて仕事をするというと、仕事に優先順位をつけて時間配分を考えて仕事を進める。あるいは、効率的に要領よく仕事をするという目的が思い浮かびます。

ところがそれだけでなく「 仕事の内容をもっとレベルアップする」という別の狙いもあるべきです。そのための時間のやりくりをし、仕事の調整をするのも、日常的な業務管理の延長線上の仕事と言えるでしょう。

今月の重点テーマと言うようなキャンペーンを実施して、部内の仕事をレベルアップすることも一つの方法かもしれません。

流通業では、いまだに「お客様への挨拶、お声掛け」のような「売り場の活気創り」のキャンペーンを定期的にやっています。365日指導をしていても毎日のことなので、どうしてもマンネリ化してしまうからです。

挨拶、お声掛けなど今更言うまでもない当たり前のことですが実際に現場に徹底するのは、とても難しいことです。日々の動きに流されないよう基本的なことを改めて意識させる。これもまたメリハリの付け方のひとつだと思います。

 

日常業務は当初の予定通りに全ての仕事をただ毎日同じようにやっていれば良いというものではありません。目先の仕事を速く片付けることしか頭にないと、どうしてもやっつけ仕事になりがちです。仕事は前向きに取り組まないと雑用の塊になってしまいます。そうなると、知らず知らずのうち仕事が雑になってしまいます。

 そうならないようにするには、日々の仕事をしっかりとしたノウハウにしていくことが大切です。一つ一つの仕事の意味を考えて仕事をすることが欠かせません。一人一人が頭を使って仕事をするようにならないと、職場全体のレベルアップは難しいでしょう。

 

 ( 平成25125日 )        ©公認会計士 井出事務所 

 

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