上司力のポイント その5  確かな判断ができる

 

  システム会社や工事会社のような請負業、受注業で伸びている会社は、取引先の事情で、よく現場の仕事の内容や当初のスケジュールが変わります。

急ぎの飛び込みの仕事も入れば、予想外のトラブルが発生し、予定がくるってしまうからです。ちょっと乱暴な言い方をすれば、先月末に立てた「予定など無いに等しい」ことが当たり前です。仕事の予定が立たない。とにかく、仕事の予定がよく変わります。このような状況では仕事にならないと思われる方もいるかもしれません。

 しかし、オーダーメイドタイプのビジネスでは決して珍しいことではありません。目まぐるしく変わる現状にフレキシブルでスピーディーな対応ができるからこそ次の仕事が来ます。他社がお手上げの仕事を何事も無いように素早く対処できるから、得意先から重宝されるのです。       

 逆に、最初の約束通りにしか仕事のできない会社には美味しい仕事は来ません。そのようなやり方しかできない会社は、最早通用しないのです。

誠に残念なことですが、時代のスピードについていけない会社の仕事はドンドン減るばかりです。良くも悪くも、それが現実です。

 

 このようなビジネスでは、現場リーダーの腕次第で会社の業績が違ってきます。プロジェクト・マネージャーや現場監督の実力に左右されることが大です。では、その実力の源は何かというと、上司として現場を巧く回す“状況対応力”に尽きると思います。

このような変化に強い職場に共通して言えることは、下が上を信頼して動いていることです。上の指示に従っていれば「間違いがない」「大丈夫だ」という上下の絆がシッカリしています。

 

誰であっても、部下は上司に振り回されることを嫌います。それは、何処の会社でも同じです。今に始まったことではありません。上司への不満が募る大きな理由のひとつは「指示の内容がはっきりしない」あるいは「その内容が二転三転する」ことです。まして、上の指示ミスで、それまでの段取りが無駄になる。場当たり的な判断が原因での、仕事のやり直しことなど到底納得できません。指示が遅くて、自分の予定がくるってしまうこともカチンときます。このような上司の不手際での現場の混乱が続くと、次第に上への不満が高まります。それが、不信感に繋がってしまうと職場の空気が危機的な状況に陥ります。最悪の場合には、上司の指示に従わず、勝手に動くようになってしまうこともあるでしょう。

 

 このように考えて見ると上役としての判断力」こそ「部下から信頼される」ポイントだと思います。

現時点で、何が一番ベストな方法なのか」確かな判断が出来る。納得できる指示が多い。「適切な判断ができる。わかりやすい具体的な指示ができる」そこが“頼れる上司”“信頼できる上役”の条件のひとつです。

逆に、存在感の薄い上司は「判断が遅い。その内容がはっきりしない。その意味、狙いがわからない」ものです。ひどい人になると、自身が判断すべきことを部下任せにしてしまう人もいます。

頼れる上司がいる。だから、下が安心してついていく」そこの関係がシッカリしているから、素早い対応のできる現場になる。上下の信頼関係を強める。その絆を深める源こそ「上の判断力」にあると思います。

 

( 平成27年 6月 18日 )                Ⓒ 公認会計士 井出 事務所

 

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