問題点の整理の仕方 (自部署のテーマ設定 2) 

 

 人も会社(組織)も、何かしらのテーマを持ってチャレンジするから、そこに成長や進歩が生まれます。人よりレベルの高い仕事ができるようになって会社の成長に貢献する。目標を達成するためにビジネスノウハウに磨きをかける。自部署の業務レベルを上げるために時代にあった仕事のやり方、方法に変えていく。自部署のテーマを設定する狙いや意味はそこにあります。

  すなわち、それは自部署の「改革テーマ」や「チャレンジ・テーマ」「レベルアップ・テーマ」を明らかにすることに他なりません。

* 以下、この章では、自部署の(チャレンジ)テーマを設定し、部署全体の業務レベルを上げることを「改革」と呼びます。

 

 改革を進めるには「何としてでも、この問題を解決する」という改革の最重要課題を明らかにすることが必要です。解決すべき多くの問題点の中から「まず何から手をつけるのか」改革の柱となる重点テーマをピンポイントで絞り込むべきです。総花的な改革は上手くいかないからです。

 テーマがひとつであれば、そこに全てのエネルギーを注ぐことができます。だから、最終的に「やったやらない。できたできない」がハッキリします。

しかし、テーマが二つになれば、注がれる力は半分になってしまいます。

それが三つになれば、使うエネルギーは三分の一になってしまいます。

そうなると、結果として、やったようなやらないような、改善されたのかどうかよくわからない。従前と余り変わり映えがしないということになりがちです。これでは、改革の意味がありません。

 

 何処の会社の現場でも、不注意によるミスや間違いが無くならない。よくあるクレームやトラブルのように直ちに改めなければならない問題点。これまで色々と努力してきたがその成果が出ていないこと。仕事が遅い等々、解決しなければならない問題が沢山あります。

個々の問題について検討を重ねてみると、急いで解決しなければならないことだけど、直ぐにはできないことがあります。一方、比較的短時間で解決できる問題であっても、その場しのぎの対処療法であって根本的な解決策に結びつかないこともあります。ちょっと考えただけでも実に様々な問題が絡み合っていることに気付きます。現実に与えているインパクトは決して同じレベルではありません。よくよく、個々の問題を掘り下げてみると、ひとつひとつの重みは違います。

 改革に立ちはだかる最初の障害は「問題点が山積みで何処から手をつけて良いのか」わからないことです。 だからこそ、まず“問題点の実態”“その原因となる事実関係”しっかりと確かめ、その内容を整理して分析していかなければなりません。

 それらの個々の意味合いをゴチャゴチャにしたままでは、いつまでたっても解決の糸口は見えてこないからです。

 そこで、どういう切り口で問題点を洗い出し、整理していくのか。そのヒントになりそうなチェック項目を挙げてみました。

 

「レベルアップしなければならないこと(仕事の内容、仕事のやり方)」と「現状維持で差し支えないこと」

  他社に後れをとっていること。当社の(営業)の足りない点。

  今までのやり方では通用しないこと。実行力が不足している点。

  努力しているが、その成果が出ていないこと。

  できていて当たり前のことだけど、できていないこと。

「急いで解決しなければならないこと」と「急を要しないこと」

「今すぐ対処できること」と「少し時間(1年・3年)を要すること」

「抜本的な改革を目指すこと」と「取りあえず応急処置で済ますこと」

「自部署内だけで解決できること「他部署(取引先)の協力を得なければならないこと」

 

「自部署のテーマ」を決める。すなわち、それは「改革のテーマ」を見つけることでもあります。ところが、いざテーマ設定となると、何が一番重要なテーマなのか。一番先に解決すべき最優先課題は何か。そのテーマが絞り込めないことがシバシバあります。改革の方針なり、方向性がわからない。それが多くの会社の現実ではないでしょうか。

 その一つの理由は、自部署の“仕事のやり方の良し悪し”や“その方法に関わる現状認識”がハッキリしていないからです。個々の仕事内容について、どのようなやり方をしているのか、その事実関係がわからない。

仕事のレベル(品質)の高さ。スキルの有無、巧い下手。できること。できないこと。やらなければならないこと。できていなければいけないことなどが曖昧になっています。

だから、数多くの問題の中で「何が今一番大きな問題なのか。どのようなことが目標達成のネックになっているのか」わからないのです。

それを明らかにするには、自部署の現状の仕事のやり方、方法をひとつひとつ丁寧に見直すことが必要です。改革の方向性なり、方針を見つけるには、現状の問題点を整理して、それらを冷静に分析することが基本です。


改革のテーマを絞り込む。見方を変えれば、それは「現状、自部署で何が一番大きな問題なのか」それを明らかにすることと表裏一体の関係にあります。

ともすると、自部署のテーマ設定は「今すぐ対処できること。急いで解決しなければならないこと」に眼が向きがちです。しかし、それでは大きな成果は期待できません。少し時間はかかるかも知れませんが「何としてでも、この問題だけは解決したい」というテーマを設定し「抜本的な改革」を目指して欲しいものです。

 

( 平成2588日 )                    ©公認会計士 井出事務所

 

 ► 関連項目:   職場の現状分析のポイント

                営業部門の現状分析(その1) 

             営業部門の現状分析(その2)