自部署の仕事の全体像を掴む大切さ

周囲の動きや取引先の事情によって次から次へとビジネスの状況は変わっていきます。管理者の手を休める暇もなく色々な問題が次から次へと起きるのが現実だと思います。ある意味イレギュラーなことが起きたときに、どう判断し、どう動くか。その時こそが管理者としての真価を問われる処です。

「日常業務に関わる状況対応力」こそ彼らに求められる役割です。仕事の調整力といっても良いでしょう。 

  

 大切な取引先から急な仕事が入ったならば、予定していた仕事を変更してでも対処しなければならない時があります。リーダー自身が現場に入ってカバーすれば済むこともあれば、部署内の仕事の調整や人の手配、日程のやり繰りが必要なこともあります。場合によっては、外部の取引先に無理をお願いしなければならないこともあるでしょう。メーカーであれば、部材の発注変更、キャンセル、納期の変更。別の外注先や配送業者の手配のような問題が起きるかもしれません。逆に、取引先の事情で予定していた部品が納品されず作業ができなくなることも十分に考えらます。

 

このように見てみると、当初の予定通りに仕事が進まなくなったときに、どう対処すべきか。予定がくるった時に「どのように動くべきか。何をしなければならないのか。何を優先するのか」その的確な判断をし、部下に指示する。それが管理者の役割とも言えます。自部署の仕事の全体像をシッカリと見捉えた上での総合的な判断が求められます。

 

 的確な判断ができる上司は、その時点での部署の仕事の状況、全体像を常に頭に入れています。「どのような調整、手配が必要か。どの仕事を先に進めるべきか」状況に応じた打つ手がいくつか頭に浮かびます。仕事の優先順位とその調整手段が明確です。    

 基本的に後回しにしても差し支えのない仕事などありません。しかし、イレギュラーな事態が起きたときでも、多少なりとも融通の利くという仕事や納期的に余裕のある仕事があるのも事実です。よく考えてみると、不思議と調整できる仕事が、必ずやいくつかあるものです。そこが、仕事のやり繰り、調整のポイントです。

 とりもなおさず、それが出来るのは「現状の状況認識」と「調整の判断基準」が明らかだからです。

 

管理者は、イレギュラーなことがあろうとなかろうと、如何なる事態にも対処できるよう備えておくべきです。どの仕事がはかどっていて、どの仕事が遅れているのか。誰の仕事が進んでいて、誰の仕事が遅れ気味なのか。

何処に余裕があって、何処が一杯一杯なのか。部下のキャパや関連部署、取引先の対応力を含め、部署全体の状況や、現状の仕事の進み具合を掴んでおく必要性があります。自部署の状況、全体的な仕事の進み具合を常に細かい所までシッカリと頭に入れておくべきでしょう。

 

 そのためには、自部署の仕事の全体像と流れを客観的に掴む計画書なりスケジュール表の作成が欠かせません。ところが残念なことに、急な仕事がいつも飛び込むから役に立たないと部署の業務計画を立てない。面倒だからと仕事のスケジュール表を作成せずに、担当者任せにして目先の仕事から順に片付けていくようなやり方をしている会社が少なくありません。

 そのせいもあってか、本来、管理者に求められる状況判断力を持っている上司の方が少ないのが現実です。的確な対応と事無きを得る場当たり対応は違います。自部署の現状がわからない、仕事の全体像が頭に入っていない管理者では困ってしまいます。

 

自部署の計画書や業務スケジュール表は、日常の業務全体をマネジメントするツールであり、職場全体の仕事のスケジュールを見渡すツールとも言えます。先を見て自部署の仕事を進めるための極めて重要な方法でもあり、仕事の状況をチェックするのに欠かせない手段です。また状況判断をする際に不可欠のツールでもあります。

 状況の変化に対し、確実に先手を打てる管理者は、毎月、毎週、必ず定期的に計画書や業務スケジュール表を作成しています。それを軸にして自部署のマネジメントを行っています。

現場の実行力を高めるためには、基本的なマネジメント技術の徹底が欠かせません。つまり、計画書や業務スケジュール表は、基本的な職場の仕組みとして、自部署の仕事の全体像、及びその流れを、具体的に把握するために作成しなければならないものなのです。見方を変えると、管理者の状況把握力、認識力、判断力を高める最も効果的なトレーニングツールになります。

 

自部署の業務改善や職場の問題解決を行う際、上手く現状分析が整理できなかったり、まとまらないのは、このような基本的な職場のマネジメントが疎かになっているからだと思います。経営戦略を策定する際のSWOT分析が上手くいかないのも同じことではないでしょうか。

 

 ( 平成25  12  9  )                 ©公認会計士 井出事務所

 

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