頭を使って仕事をする(職場の問題解決ができる管理者)

 

  斬新な提案内容が出てこない。営業の訪問効率が悪い。あるいは、客先からクレームが無くならない。ちょっとしたミスや小さなトラブルが絶えない等仕事のレベルが低い。現場の実行力が物足りない。何処の会社の現場も少なからず問題を抱えています。問題点の無い職場など無いでしょう。

今の仕事のやり方がベストな方法だとは思わないが、何をどうすれば良いのか、その改善方法がわからない。良いアイデアが浮かんでこない。部下の指導の仕方がわからないと多くの管理者が、自部署の問題を上手く解決できずに、頭を抱えています。

 

実行力のある管理者は「どのようなやり方をすれば現場の実行力を高められるのか。業務レベルを上げられるのか」自部署の諸問題を解決する頭の使い方を知っています。その答えを自分で出せる力を持っている。

 彼らは、今の状況を打開する具対的なやり方や方法が直ぐにわからなくても、その見つけ方を身に付けています。問題を解決するには「その状況の中で、どう判断し、どう考え、どう動くのか」今の状況を改善するための鉄則とも言える方法があります。それが頭に入っている。だから、どのような局面においても、諦めることなく前向きに考えることが出来るのです。

 

営業力が弱い。提案力が乏しい。商品の企画力が見劣りするというような改善すべき問題が大きく、その根が深いテーマだと、直ぐには良い方策が見つかるものではありません。ですから、このような大きなテーマを解決する際は「ひとつひとつ手順を踏んで確実に物事を進める」と言う発想が求められます。一ヶ月、三ヶ月、半年というように期限を決めて「目指すべき目標」を設定し、解決していくことが重要です。

例えば「提案営業の実践」を解決しなければならないテーマとしましょう。まず、最初に行うべきことは「当面の目標」を明らかにすることです。

 

 通常、問題解決の第一ステージは「自部署の現状分析」です。少なくとも三ヶ月後までに「自部署の営業活動の実態を明らかにし、その問題点を洗い出す」「当部署の問題点を絞り込む」みたいな第一目標を、まず決めることです。と言うのも、客観的な事実関係を良く確かめないまま、結果を焦って安易な方策を求めるから、表面的で上っ面の対策しか出て来ない。だからモグラ叩きみたいな堂々巡りの対応になり、最後は有耶無耶になってしまうのです。問題解決の第一歩は現実を素直に受け入れることです。実態をよく確かめることが欠かせません。

「自部署の現状分析」の結果を踏まえて、また次の三ヶ月、あるいは半年後に向けての次なる目標を定めます。「重点顧客の絞り込み」「個々の取引先ごとに提案内容を洗い出す」あるいは、重点顧客に向けて「提案書を作成する」といったテーマが、次の「当面の目標」になってきます。ここから解決の第二ステージに入ってきます。

 

このように、何処から手をつけて良いものか、見当もつかない大きなテーマを、頑張れば出来る「手が届きそうなテーマ」に噛み砕いていく。現場が実行できる具体的な仕事のテーマを明らかにする。担当者の手の届く目標に落とし込んでいく。つまり「提案営業の実践」といった大きなテーマを、できるだけ細かなサブテーマに落とし込むことがポイントです。

解決しなければならないテーマを、順を追ってより具体的な仕事にして、自部署の問題解決を段階的に進めることが望ましいと思います。

 

職場の問題解決、あるいは自部署の業務改革を成功に導ける上司は、小さな実績を積上げることで物事を解決していく術を知っています。大願成就は少願成就の積み重ね以外の何者でもありません。

彼らは「問題解決の工程表」を頭の中で描けます。言い換えると、このような改革の構想なりシナリオがハッキリとイメージできるのです。

そして、その内容を具体的なスケジュール表にまで落とし込めます。だからこそ、少し時間はかかるかもしれないが、一つ一つ丁寧に物事を進めて行けば何とかなる。一発必中の解決策は出ないかもしれないが、しっかりと手順を踏んでやっていけば間違いなく成功すると思えるのです。

 

 問題解決を成功させるひとつのポイントは、先を急がないことです。

根本的な解決を目指すには、早急な解決策を求めない。安易な妥協案で終わらせないことが大切です。それには、いくつかの段階に分けてチャレンジすることです。マラソンをする市民ランナーも最初から42.195㌔を走れる人はいないと思います。5㌔、10キロ、20㌔、30㌔というように、トレーニングを重ねて、徐々にマラソンができる体を作っていくのだと思います。

職場の問題解決、自部署の業務改革もそれと同じことではないでしょうか。

 

ところが残念なことに、多くの会社は自部署の問題解決の対策会議を開いても「良い解決策が見つからない」だから従来の方法のままでやっている。「特に、新たなことにチャレンジしない」このような会社が多いのも事実です。それでは、いくら問題を解決するための話し合いを重ねても、ただの問題指摘で終わってしまいます。それは、議論の結論ではなく、問題の先送りでしかありません。 

早急な解決策、打出の小槌のような万能の特効薬を求めるから、できないと決めつけてしまう。目先のことしか考えないから、そう思ってしまう。

普段から先を見て動く習慣がないと、目の前のことしかわからなくなってしまいます。計画や予定を立てて仕事をしていないと、先々のことが頭に浮かんできません。

 

目標とは将来の結果となるべきことです。仕事のできる管理者は、先を見据えて予定を立てて動くこと。段取りを整えることができます。将来に向けての「何をすれば良いのか」その動き方をイメージできる。目指すべき結果から逆算して、今やらなければならないことが頭に浮かぶ人です。

 それは、社長の右腕となる管理者に求められる不可欠な技能のひとつだと思います。

 

( 平成25年 12月 1日 )

 

► 関連項目: 反省材料を拾う自部署のテーマ設定

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         営業部門の現状分析

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