改革を成功に導く四つの共通認識

 

職場や部門改革を成功させる秘訣はいくつかありますが、その中で一つ選ぶとすれば、それは「共通認識」という言葉に集約されます。上司が、職場のメンバーの気持を一つにまとめる。皆が同じ意識を持って仕事に取り組むと言うことです。 一口に共通認識といっても、そう簡単なことではありません。実際には色々な共通認識が求められます。

 

「ライバルは常に一歩先を進んでいる。ドンドン差が開いている」といった ビジネスの現状への共通認識

「今のままでは、会社の存続さえ難しい。売上が低迷している」という危機感 の共通認識があります。

「仕事の内容が雑。職場のまとまり・コミュニケーションが悪い。連絡漏れや連絡遅れによるミスや確認忘れによる行き違いが無くならない。

 クレームが多い」という問題点の共通認識も求められます。

 「もっと良い会社にしよう。職場全体の仕事のレベルを上げよう。高い目標  にチャレンジしよう」という目的意識の共通認識もあるでしょう。

 

職場全員の仕事への取り組み・姿勢がバラバラのままでは自部署の改革は進みません。実際の動きにつなげるにはメンバーの協力が必要です。

一人一人が危機感や問題意識を持って仕事をすれば、職場全体の問題点が解決される訳ではありません。皆の気持ちがマチマチのままでは良い方向には進まないのです。

 

職場の改革に向けてメンバーの気持ちを一つにまとめていくには、それなりの気配りと細かな動きが必要です。同じ職場の仕事仲間であっても、所詮他人の集まりです。仕事の対する考え方や取り組み方も違います。

会社への思いも人によってそれぞれです。ですから、いきなり唐突に物事を進めようとすれば部下の反発を招いてしまいます。何の説明も、一言の断りも無ければ、担当者の不満や不信感を募らせるだけです。

会社が大きかろうと小さかろうと、有名企業であろうと無かろうと基本は各自バラバラです。要するに、改革を進めるには皆の気持ちを一つにすることが欠かせないのです。

 

 何事もそうだと思いますが、物事を成功裡に進めるには、然るべき手順と段取りが欠かせません。自部署を良い方向に進めるには、上長がまず考え、動かなければなりません。上司が考えないことは部下も考えないからです。上司が動こうとしない限り部下も動きません。

「どうして職場の業務レベルを上げなければならないか。何故、常に改革が求められるのか」その経緯や必要性を部下に説明することは上司の大切な役割のひとつです。

 改革を進めるには順を追って、以下の四つの共通認識が職場内に求められます。これらの一連の意識が積み重なり、ひとつになって、初めて改革を成功させるという共通認識になるのです。それが、職場をまとめることに他なりません。

 

一つ目は「お客様が求める仕事の内容、やり方、スピードが変っている。

会社の現状や業界の動きを良く見る」ビジネスの流れ、トレンドを知るという現状認識の共有。

二つ目は「このままでは生き残れない、埋もれてしまう。何かを変えていかなければ、会社も自分も明るい未来はない」という将来への危機感の共有。

三つ目は「自分達に足りない部分、他社に負けている点、時代の流れに通用しない処等、自部署の問題点を理解する」このままでは拙いと皆が思う問題意識の共有。

四つ目は「現状の問題を解決し少しでも良い方向に進める。何としてでも改革を成功させる。結果を出す」職場一丸となって取り組むという目的意識の共有。

 

いきなり「改革を成功させる」という強い目的意識は芽生える訳ではありません。先の見えない不安感を感じるから、危機感や問題意識が生まれます。これらの思いが積み重なって大きなエネルギーになって初めて改革の機運になります。これらのひとつひとつの気持ちが行動力の原点であり、改革の原動力になるのです。

だからこそ、リーダーが「今のままの仕事のやり方で、当社は伸びるのだろうか。今のままだと、この先当社はどうなるだろうか」と会社や自部署の現状を、いつも部下に問いかけることが大切なのです。ここが改革の第一歩です。 そうやって「そうかもしれない。やっぱりそうだよね」という部下の共感や「よくわかる。理解できる」という思いを引き出していかなければなりません。

部下との話し合いから「今のままでは拙い」という彼らの問題意識を引き出し、それを積み重ねて皆の共通認識にするべきです。

更に、それを「皆で頑張って少しでも良い会社にしよう」皆の目的認識に結びつけていかなければなりません。 常日頃、職場のメンバーとのコミュニケーションを通して、彼らの気持ちを前向きに変えていくことが大切です。 このようにして、少しづつメンバーを巻き込んでいくことが、改革を成功させる鉄則です。 それこそが、リーダーシップの真骨頂ともいえるでしょう。            

( 平成271222日 改訂 )    Ⓒ 公認会計士 井出 事務所

( 平成25829日)