現状の仕事のやり方の良し悪しについて話し合う
どうして、うちの職場は次から次へと問題が出てくるのだろう。仕事の際の不注意や不手際、行き違いが無くならないのか。不思議でならない。
どうすれば、もっと効率的に仕事ができるのか。ミスの無い仕事ができるようになるのか。何をすれば、メンバーの意識が高まるのか。どうして良いものか。それがわからない。口には出せないが心の中で、そう思っている管理者、上司の方は沢山いらっしゃると思います。
では、そういう管理者の方に、普段どのようなことに注意してメンバーに話をされていますか。どういう点を意識して部下を指導されていますか。と尋ねてみると、ハッキリとした答えが返ってくることは極めて稀です。大抵の場合は「普通にやっています」とか「ちゃんと注意や指示はしています」といった言葉が出てきます。しかし、上はシッカリやっていると思っていても、現実にその内容がメンバーに徹底されていないことの方が多いようです。もし、そうであるならば、客観的には、それらの注意や指示は確実に実行されているとは言えない状況でしょう。
多くの会社で、職場内の(仕事上の)コミュニケーションに大きな問題があると感じています。例えば、本来、決めるべきこと。指示されるべきことが曖昧。そのせいもあってか。やり直しや二度手間になることが多く効率が悪い。あるいは、段取りの付け方が拙く不手際が重なる。報告や連絡があって然るべきことが無い。この他にも、ちょっと一言声を掛けてくれれば済むことができない。早く言ってくれれば簡単に片づいたことが、連絡や報告が遅くなったために却って手間がかかってしまった。ひとり一人が勝手にバラバラに動いていて、職場にまとまり感が無い。そういったことが常態化している。どうでしょう。皆さんの職場でこのような問題と似たことが起きていないでしょうか。ところが、このような現実であるにも関わらず、その事実と真剣に向かい合い、何とかしてこの問題を早急に解決しようとする取り組みが為されているかというと、ほとんどの処で手つかずのままになっているように思えてなりません。
そこで、一度試していただきたいことがあります。それは「今の職場全体の仕事のやり方の良し悪しについて皆で考え、話し合う場」を設けることです。極めて、当たり前のことのようですが、実際、このような話合いの場が定期的にある会社(職場)は数少ないと思います。
効率的に仕事を進める。職場の問題を解決するには、職場全体を通しての仕事の振り返りをすることが欠かせません。実際に各人が思っている「こういうことは宜しくない。こういうやり方は拙い」と言う風に、職場の一員として、今の仕事のやり方の良し悪しについてお互いに本音をぶつけ合うことが大切だと思います。実際に話合いの場を持ってみると、誰しもが現状の仕事のやり方に問題点があると思っていることに気付きます。すると、少なからずそこから「今のやり方は無駄が多い。もう少しこうした方が良い。やり方を変えるべきだ」といった前向きな意見が、必ず出てくるものです。
そうして、職場全体として、改めるべき点を洗い出すことが大切です。それが現実の仕事のやり方の良否を確かめることに他なりません。
担当者一人で悩んでいても、できることと出来ないことがあります。周りのちょっとしたヘルプさえあれば、直ぐに片づく仕事も沢山あります。
本人的には周りに伝える必要がないと思ったことでも、ちょっとした連絡や報告があれば、良い方向に仕事が捗ることが多々あります。
職場のコミュニケーションが宜しくない処は、担当者個人の独り相撲的な仕事のやり方の集まりになっています。メンバーに職場というチームで仕事をしている意識がありません。職場全体でのチームワーク、チームプレイという視点が欠けているからです。だから、連携の取れた一体感のある仕事が出来ないのです。
お互いに協力して仕事をしないと巧くいくことも上手くいきません。担当者一人で悩んでいても、できることと出来ないことがあります。周りのちょっとしたヘルプさえあれば、直ぐに片づく仕事も沢山あります。本人的には周りに伝える必要がないと思ったことでも、ちょっとした連絡や報告があれば、良い方向に仕事が捗ることが多々あります。
まとまりのある職場。チームプレイで仕事が出来る職場には「職場の一員として、今の職場全体の仕事のやり方の良し悪しについて皆で考え、話し合う」そんな「時間」や「場」が定期的にあるものです。
こういう仕組み通して「職場の仕事仲間」「職場の一員」という自覚をお互いに高めていくことが必要です。そうして「チームワーク、チームプレイという仕事のやり方」を職場に定着させて欲しいものです。
( 平成30年2月9日) Ⓒ 公認会計士 井出事務所
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