職場の問題解決(続けることの難しさ)

 

 「業務改善」と掛けて「ダイエット」と解く。その心は「どちらも頑張っても、なかなか長続きしません」

一見、誰が見ても簡単に出来そうなことが、実際にやってみると上手くできないことがあります。

そのことは、職場の業務改善にも当てはまります。多くの会社がチャレンジしてみますが、仕事のレベルがグンと良くなったというところまでは、思い通りにはたどり着けないものです。

実際には、いつの間にか立ち消えになってしまった。何となく有耶無耶になってしまった。結局、前と何も変らない。それが、業務改善に取り組んだ会社なり、職場の良くある現実だったと思います。

 

職場のレベルアップ、業務改善、ボトムアップが上手くいかないのは、ほとんどが三日坊主か、計画倒れのパターンです。どうしても長続きしない。そういう会社が多いと思います。 

一口に仕事と言っても色々な仕事があります。ところが、その内容は違えど、やっていること自体は毎日同じことを繰り返しています。知らず知らずのうちに一人一人が慣れ親しんだ自分のやり方、スタイルを身に着けています。仕事のやり方自体がその人の生活習慣みたいになっているものです。

ですから、誰しもが、それを変えることに大きな抵抗感があります。自分のペース、今のやり方を変えることは煩わしい、仕事の方法を変えることは面倒臭いという思いがあります。特に、仕事のできるベテラン層にその傾向が強いと思います。  

そう思う人は、不慣れなやり方をすることで、返ってミスや失敗が増えるのではというリスクが頭をよぎります。だから、不思議なことに、まず「忙しくてそんな暇はない。時間がない」とできない理由。「やっても意味が無い」とやらない訳を一所懸命に考えます。スタートの時点から、このような考え方では職場のレベルアップ上手く行く訳がありません。

 例え、しぶしぶ始めても、一度試しただけで「やっぱり上手くいかない。手間がかかるわりには効果がない。前のやり方の方が良かった。効率的だ」と言って、何とかしてこれまでの方法に戻そうとします。

人は誰しも、納得できないことはやろうとしません。職場の業務改善を進める。仕事のやり方を変えていくには、このようなメンタルな側面が大きな壁になって立ちはだかっています。  

 

その辺の思いなり事情はわからなくはありません。しかし、そこをグッと堪えて頑張れるか。そこが、現場の実行力を高める分岐点になります。

一度ですべてが上手くいく。一発必中の改善などありえません。三度目で「御の字」くらいの感覚でチャレンジしなければいけないのです。

「やり方を変えても上手くいかない」などと文句ばかり言っていても何も状況は変わりません。簡単に諦めてはいけないのです。目先のことしか見ようとしないから先々のことがわからない。上司たる者、もっと長い眼で見て、あるべき仕事のやり方を考えて欲しいものです。

何事も嫌々やっていては、成功は覚束ないでしょう。「やり方を変えたらミスが多くなる。これまでと違うことをして失敗したくない」などと余計なことを考えるから、前向きなアイデアが浮かんでこない。

 仕事ができる人は「やっても意味が無い。時間の無駄」というような投げやりな発想を持つと上手くいかないことを良く知っています。そのようなマイナス思考を持つから、それが邪魔をして良い工夫が浮かんでこないのです。

職場のレベルアップを成功させる管理者は、早急な結果を求めず職場の改善に淡々と取り組める人です。先を急がず、これまでの方法で、見落としていることはないか。見過ごしている点はないか。一つ一つ丁寧に今の仕事のやり方の事実関係を洗い出していきます。だから、ちょっとした注意点を見つけることができる。小さな発見を見逃すことがないのです。これまでとは違う発見、新しい気付きがあれば、必ずやレベルアップできることがあるものです。そうすると「もう少し。もうひと頑張り」と思えるようになります。

 改善が続かない、レベルアップに成功しないのは、そのような小さな注意事項、新たな発見を見つけられないからではないでしょか。

 

「継続は力なり」と言いますが、頑張り続ける秘訣は、目先の結果に一喜一憂しない。焦らずに解決策のヒントを探すことだと思います。結果が出るまで「もう一歩。あと一息」と思って、黙々と取り組むことです。

後ろ向きな発想をしない。プラスにならない余分なことを考えないことが大切です。

どんな仕事でも成功させる人は、必ずと言って良いくらい「辛抱粘り強く取り組んでいれば、結果は向こうからやって来る。確実に良い方向に進める」という考え方を持っている人たちです。

昨今のリーダーに求められるのは、このような「淡々としたしぶとさ」だと思います。

 

( 平成26331日 )         ©公認会計士 井出事務所


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