職場の問題解決(解決策の見つけ方 その1) 隠れた成功要因

 

これまで、職場の問題解決、自部署のレベルアップ等々、色々と努力してきたがどうも上手く進まない。良い解決策が見つからない。期待するような成果が出ないとお悩みを持つ経営者、管理者は多いと思います。

そこで、どうして自部署の問題解決や業務改革が進まないのか。その原因を探ると共に、効果的な解決策の見つけ方について検討してみたいと思います。

以下は、ある印刷業の管理者(課長)研修で、実際に受講生の方が書かれた「自部署の問題点」に関わる記述です。その内容に、あらゆる業種にも当てはまる職場のレベルアップが上手く行かない原因の多くが盛り込まれていると思います。

  問題点となっている課題について思いついた対策をとりあえずやってしまう傾向が強い。また、担当者の個人的な判断で動くことが多く、したがって現状の認識の仕方も職場内でマチマチである。そのためか、対策の掘り下げが場当たり的で十分ではないと思うことが多い。

 一例を挙げるならば、これまでの問題点を十分に検証することが少ないそもそも、問題点に係わる事実関係 (データ)を明確にしないまま取り組んでしまうことがよくある。そのため対策の効果がデータとしてわからず、後で部署内でその効果の成否について水掛け論になる。効果のあるなしをもっと突き詰めて検討してから、やるかやらないかを判断すべき。

 この会社では、各担当者によって(印刷)機械操作の技術に格段の差があり、ちょっと難しい仕事になると特定の人に仕事が集中し、職場全体としての作業効率が著しく悪くなっていたのです。そのため、不要な外注が多く発生する一方で、機械が遊んでいることも間々ありました。残業時間の問題を含め、メンバー間の忙しさの開きが問題になっていました。

 

このような状況のままではいつまでたっても職場は良い方向に変っていきません。全てが担当者任せになっているからです。各人が周囲の仕事について関心が薄く、他者の動きに無頓着ということが起きています。

そして、皆が自分のやり方、自分のスタイル、自分のペースを優先して仕事をしています。その結果、各担当のやり方もマチマチで、その能力に大きなバラツキが出てきます。

要するに、皆で知恵を出しあって仕事のレベルを高めるような職場ではありませんでした。組織力が発揮できる仕組みになっていないからです。

業種を問わず、多くの会社で、このメーカーさんと同じような問題が起きていないでしょうか。

 

そもそも「解決策の堀下げが場当たり的で十分でない」というのは職場全体として視点、トータルで見た視点で、難があるからだと思います。

よくあるケースが、一担当者の思い込みによる意見で解決策を考えてしまうことです。ところが、その内容が自分のやり方や能力をベースにした内容になっていることに気付けません。自分と他人では事情が違う。自分にはできるけども他者がその方法をできるかどうかわからない。それさえも頭に入っていない。職場全体の問題と個人の問題と勘違いしてしまうからです。

 

周囲の賛同や納得を得る解決策を見つけるには、まず問題の発生原因を突き止めることが欠かせません。問題解決が上手く行かない理由の一つは、周囲の動きや状況をシッカリと掴まないまま、職場の改善策を考えてしまうことです。

だからこそ、まず最初に問題点に係わる事実関係を明らかにして、職場全体の共通認識を得ることが重要です。各々の仕事が担当任せになっているなら、一人一人がどのようなやり方をしているのか.各人の仕事のやり方の良し悪しを明らかにする。問題点客観的な事実関係を明確することが欠かせません。「皆、~~しているはず」という思い込みや決め付けは禁物です。

現状の実態がよくわからないまま、問題の解決策を考えてみても、職場全体で共有できるような良いアイデアが出てくる訳がないと思います。

 

この会社でいうと、

1.印刷機の清掃の手順、版下替えの段取りの仕方が、各自自己流で

  マチマチのやり方をしていました。

2.刷リムラ(仕損品)の問題については、仕事のできる人は求められる

  製品の仕様に対して、これまでのデータを活用して印圧の機械調整を   していました。しかし、仕事の遅い人は、考えなしにその場その場で   勘で調整をしていることがわかりました。

 

 このように考えてみると、対策の詰めが甘い、その原因の多くは解決策の方ばかりに眼が向いて現状の実態確認を軽視することにあります。

だから、自身の思い込みの中で対策を考えてしまうのです。

職場の問題解決を成功させる。その隠れた秘訣は、実際の仕事のやり方その事実関係をできるだけ細かく明らかにする。正しく理解することにあります。逆に、上手くいかない原因の多くは「現状認識」と「問題の共有化」を曖昧にしたまま、見切り発車をするからではないでしょうか。

 

( 平成26310日 )         ©公認会計士 井出事務所

 

► 関連項目: 解決策の見つけ方解決策の見つけ方(その2)

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