職場の問題解決( 解決策の見つけ方 4 ) もうひとつ細かい処を堀り下げる

 

日々、工夫して業務のレべルアップを目指しているが上手く行かない。色々と手を尽くしてみたが、なかなか思わしい結果がでない。確実にいえることは、今のやり方のままでは拙い。これまでの方法では通用しないということです。ですから、従来の手法を良しとしない。やり方を変える方向で検討することが大切です。

そう考えないと、現状から脱皮できるような打開策は出てこないと思います。

何をやっても上手く行かない。成功にたどり着けない。その原因は、何事も今のやり方に「何かが足りない。欠けている」と考えるべきです。

何処か、注意すべき点を見落としている。気をつけなければならないことを見過ごしているのです。まさに、そこがその仕事のコツに他なりません。

今年のソチ・オリンピックで銀メダルを獲得した葛西選手は、わざわざコーチを替え基本の基本を一から徹底的に見直したそうです。

そこまで、シビアに取り組んだことが実を結びました。

仕事のできる人はいつも頭を使ってやっています。微に入り細に入り、実に細かな神経が隅々まで行き届いています。何気ない作業、ちょっとした所作にも気配りがあるものです。

ですから、彼らに「どうして、そういうやり方をするのですか」と尋ねてみると、直ぐに答えが返ってきます。その仕事の細かな意味、その際の注意事項がシッカリと頭に入っているからです。

問題点の解決策を見つける。その一つの常套手段は、今まで以上に「細かな点に注目する」ことです。

 

拙稿の、印刷会社の事例では「熟練の職人が多くいる町工場」から「企業として技術力のある工場」への脱皮を図ろうとしました。そこで、これまで担当者任せだった印刷機の調整技術(ノウハウ)の共有化を検討しました。

刷数、紙質の違いによる印圧、回転スピードに関わる調整方法。その際の具体的なマシンの目盛りの数値と言った個々のデータ等、その細かな内容をひとつひとつ丁寧に洗い出したのです。

要求される画質の解像度・鮮明さ、印刷用紙の紙質によって印刷機の印圧や回転スピードを調整しなければなりません。マシンの調整ポイントを、より細かな作業内容にまで落とし込んで書き出しました。

 調整技術やスキル、ノウハウの巧拙はこのような細かな注意事項の中にあると考えたからです。

 

改善しなければならない問題点がある。しかし、その解決策がなかなか見つからない。その多く理由は「どうして、このようなミスや不手際が起きるのか」その明らかな原因が突き止められないからです。現状分析の掘り下げ方が足りない。問題が発生する事実関係を摑みきれていないのです。

その原因がハッキリしているようで実はハッキリしていない点にあります。だから、問題点を漠然としか捉えられないのです。

解決策を探すのに行き詰った時は、問題点のテーマやその原因をできるだけ細かく書き出してみると良いでしょう。どのような仕事でも、本人が普段から注意してやっていることはハッキリとした言葉になります。

 ところが、特別意識してやっていないことは、具体的な言葉確かな言葉にはなり難いものです。だからこそ、できるだけ具体的な言葉や単語で表現してみることが大切なのです。

 実際にやってみると、思いのほか、ハッキリとした言葉が出てきません。どうしても形容詞の多い曖昧な書き方になってしまいます。なかなか明らかな言葉にならないことに気付きます。わからないというのが正直な処かもしれません。普段の仕事に注意力が足りない。細かな処まで神経が行き届かないからです。

 だから、対策が観念的で抽象的なものになってしまうのです。曖昧なこと、ハッキリしていないことからは「もっとシッカリやる。不注意をなくす。

ちゃんと注意する」といった精神論的な改善案しか生まれてきません。

 こういう状況が多くの問題解決の際に起きる現実です。だから、具体的な対策策が見つからない。良いアイデアが浮かんでこないのです。ボンヤリとした意識からは、具体的な解決策は出てこないと思います。

頭に言葉(答え)が浮かぶのは、いつも注意してやっていることだけです。

 

誰もが気付かない。多くの人が見逃してしまうチェックポイント。それこそが、その仕事の注意事項こそノウハウに他なりません。ある意味、それを探し出すことが「解決の糸口」を見つけることだと思います

料理で言うと「お塩、少々」という言い方があれば「お塩、小さじ一杯」という伝え方もあります。「お塩、3g」という表現もあるでしょう。どれが、一番具体的でわかりやすい言葉でしょうか。何が客観的で、誰もがわかる表現でしょうか。

本当に些細なことかもしれませんが、このようなことの中に「ノウハウの種」が眠っているかもしれません。細かな小さなことに「解決策のヒント」が隠されています。

 

( 平成2678日 )         ©公認会計士井出事務所

  

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