自部署の業務改革の進め方

 

 骨太の方針。改革の工程表とは、何処かで耳にした言葉です。これらは、2001年小泉政権のもと、当時の財務大臣、竹中氏が構造改革についてマスコミでよく口にしていた言葉です。

国であろうと、企業であろうと、どのような小さな改革でも一朝一夕には進みません。それなりの時間がかかります。ですから、今、何処まで改革が進んでいるのか。2合目なのか。3合目なのか。誰にでもわかるように改革の工程表」の作成は欠かせません。それが無いと「何ができていて、何ができていないのか。何が予定通りで、何が遅れているのか」改革の工程管理ができないからです。改革を着実に進めるには改革の工程表」を活用した工程管理が必要です。

このことは、自部署の業務改革にも当てはまります。毎年、年初や年度初めに「今年度の目標設定」をするけれど、毎年掛け声ばかりで何も進まない。そうなってしまうのは、改革の工程表を作成しないことも一つの原因だと思います。改革の見通しがはっきりしていない。期日を決めて、その進行度合いについて確かめることをしない。だから、いつの間にか、改革自体が有耶無耶になってしまう。一年経っても、前と何も変らない、何も進歩していないということになるのです。改革のテーマを設定するだけでは何も変わりません。

 

ヘアーサロンの店舗改革の例を紹介しましょう。この業界ではお客様を待たせてしまう状況がクレーム発生の大きな原因になります。どんな小さなクレームであっても、それは、ほぼ失客につながります。

この会社の場合は、最終的に「店舗の全体効率の最適化」というテーマに絞り込んで業務改革に取り組みました。スピーディーな仕事(サービス)の流れこそが繁盛店を創るために欠かせない条件だからです。

 

まず、この会社では、入店から退店までのサービスの流れにしたがって「改革のサブテーマ」を明らかにしました。お店サイドからすると、仕事(サービス)の流れが途切れてしまう局面、即ちお客様をお待たせする状況が問題点と言えます。それこそが店が回らない状況だからです。そこで、まず、サービスの流れが詰まる大きな原因、状況を拾い出して見ました。

 

シャンプー時 ②カット時 ③パーマ、カラーリング時 ④スタイリング(仕上げ)時 というように問題解決を要すべき具体的なサービスノウハウ、店舗運営スキルのテーマが見えてきました。

要は、各々の仕事がタイミング良くスムースに流れれば、お客様を待たせなくて済むし、クレームも少なくなります。店舗の回転が良くなり数字も上がるのです。その基本原則を一言で言うと、最終工程に近いお客様を最優先して仕上げることです。それが店舗効率の向上につながります。

色々と話し合った末、最終的に明らかにすべきことは、スタイリストの仕事の優先順位とその指示の出し方ということになりました。これまでは、店の混み具合によって、スタイリストが個々に出していた指示をお店のルールとして統一しました。

スタイリストが最優先するのはスタイリング、次はカットというように、お客様の状況によって担当する仕事の優先順位を明確にし、その際の注意事項を文書化しました。加えて、5段階評価のチェックリストを作成し、これを用いて各人が自身の成果を自己診断し、新しいやり方にかかわる反省材料を拾えるようにしました。日々の改善点を翌日の仕事に着実に活かせるようにしたのです。

また、その内容を徹底するために、毎日お店を開ける前に注意事項を確認し、閉店後の終令の際にも、お互いに今日の良否について話し合い改善点を探し出す仕組みを作りました。

このようにして、3ヶ月を掛けて、効率的な店舗運営に関わる会社の基本ルールを創りました。

 

何処の会社でも、改革のテーマが何であろうと、改革がトントン拍子に順調に進むことはありません。

直ぐに成果の出る改革などありえません。最初から完璧な成功ノウハウが見つかる訳ではないのです。

 

        改善すべき仕事のチェックリストの作成

  ② チェック項目の良し悪し、でき不出来の評価、擦り合わせ

  ③   チェック項目と内容の手直し

 

この一連の手順を繰り返しながら上手く行くノウハウを見つけていきます。

 細かな修正を少しづつしながらベストなやり方方法を探す。それが改革のプロセスです。まさに「継続は力なり」という言葉が改革には、よく当てはまります。

 

 改革が途中で立ち消えになってしまうのは

「直ぐに結果が現れない。なかなか結果が出なくて止めてしまう。

 先が見えなくなって諦めてしまう」

「改革の焦点を見失う」

「ある程度の成果が出るようになったときに、その(低い)レベルで

 満足してしまう」からです。

 

上記のチェックリストは「改革への共通認識を高め、改革の焦点がブレないようにする」大切なツールです。改革のスケジュール(工程)表も「改革の進行度合や方向性がわかるようにする」欠かせない道具です。

このようなツール創りは「改革の成功」を実現するために無くてはならない条件と言えるでしょう。

 

 ( 平成25823日 )        ©公認会計士 井出事務所

 

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         (職場の問題解決)解決策の見つけ方(その2)

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