課題(チャレンジテーマ)を探す大切さ ( 自部署のテーマ設定 2 )

 

  業績の向上には、一歩先とは言わないまでも、他社より半歩進んだ仕事(内容・レベル)ができる現場の実行力が求められます。

 今までの仕事のやり方、内容、レベルのままで、この先業績を伸ばせるでしょうか。3年後も、現在の仕事のやり方のままで通用するでしょうか。日々の仕事を、ただ繰り返しているだけでは、仕事のレベルアップは期待できません。ライバルに差をつけるには“現状レベル、プラス・アルファーの仕事ができる体制”を創らなければなりません。

 目先のミスやトラブル、クレームを無くすだけでは、この先の進歩は望めません。問題解決のレベル、現状維持の延長レベルの「改善テーマ」で満足していては、会社の成長は期待できないと思います。そのことを、経営や管理者はよく考える必要があります。

 

 自部署のテーマ設定の際に忘れてならないことは「課題」即ち「チャレンジ・テーマ」を探すことです。

会社を伸ばそうと思うならば、必ずや~改革、~開発、~戦略」というような新たにチャレンジすべきテーマがあるものです。

 営業を例にとれば「提案営業ができるようになりたい」「勝てる提案力、企画力を養成する」「新規の重点顧客(見込客)の取り込み」というような、全ての中小企業が抱えているような仕事の課題が沢山あります。

 管理者は、常に一歩先を見据えて、会社が求めるような、自部署が目指すべきチャレンジテーマ(仕事のやり方・求められる実行力) があることを頭に入れておかなければなりません

このように考えてみると、自部署の「課題」はまさに職場として目指すべき「部門戦略」あるいは「業務改革のテーマ」とも言えるかもしれません。

 

醤油やみりん等のプラスチック容器を製造している三島容器製造は、これまで主たる取引先である食品メーカーから、将来性の期待できる医薬業界やデザイン性の求められる化粧品業界に手を広げる戦略を立てました。

そこで、新規分野開拓のためには、これまでの御用聞き型営業から提案営業ができる体制造りが必要と考え「提案営業ができる営業部」を課題に「抜本的な営業部改革」に乗り出しました。

その第一歩として、部署名を従来の営業部から「企画営業部」と改名しました。その意味は「提案営業ができない者は当社の営業にあらず」ということです。勿論、部署の名前だけを変えても、提案営業ができるようになる訳ではありません。営業マンのトレーニングのカリキュラムを組み、提案内容の企画の仕方、提案書の書き方、プレゼンのスキル等、提案営業に必要な基本的スキルを一から学ぶことから始めました。

 加えて、半期毎の営業計画を作成し、それを軸に「何処を重点的に攻めるのか」営業先の優先順位をまず明らかにしました。成り行き任せで動くような動き方を改めるためです。目先の仕事から手をつけるのではなく、先を見て動けるような体制に変えていきました。

まさに「ゼロからのスタート」と言えるチャレンジでした。

 

成功のきっかけとなったのは、営業会議の場で「取引先の動きや要望がわかるような顧客情報」が、少しづつやり取りされるようになったことです。「このような相談を受けた」あるいは「おたくは『こんなことできないの』という話をいただいた」といった類の情報をお互いに交換するようになりました。

そうこうしているうちに、一部の若手が、お客様から「この話、ちょっと預からせてください」と言葉をかけられるようになりました。多少なりとも「的を射た提案」が企画できるようになったのです。そうして、おおよそ二年を要して「こちらから提案して受注する」という営業の進め方や流れを掴んでいきました。

 提案営業をすることで「顧客情報」を重視して動く営業体質に変わったことは大きな前進でした。全員ではありませんが、待ちの営業からようやく脱皮して、攻めの営業が出来るような体制になりました。

 

常日頃、もうひとつ上のレベルを目指さなければビジネスは成功しないと思います。そして、何事も先手先手と仕掛けていくべきです。もう一歩先のテーマ(仕事の内容)を追いかけないと、ライバルに差を着けることはできないでしょう。ワンランク上に目線をおいて仕事をしなければ、業績向上、会社の発展成長は難しいと思います。
 勿論、100社あれば100様の現実があり、目指すべきテーマ(課題)があります。その会社の実情によって、その部署の現状によってチャレンジするテーマの内容も違って当然です。ある会社では、それが「問題解決」なのかもしれません。別の処は「業務改善、部署改革」が一番重要なことかもしれません。また別の会社では「部門戦略、業務戦略」と呼ばれることかもしれません。

 

 いずれにしても、リーダ-に求められる役割は、自部署は「何を目指すのか」その“チャレンジ・テーマ(課題)”を明らかにすることです。

例え、今すぐにそのテ-マを指し示すことは出来なくとも、少なくとも部署の“方針”“方向性”“ビジョン”のようなものだけでも示すことが大切だと思います。

 上司が考えないことは部下も考えません。上司として「考えなければならばならないこと。アイデアを出さなければならないこと」があります。

 それを出す。それこそが上司の価値ではないでしょうか。 

 

( 平成27年 4月3日 )加筆修正         ©公認会計士 井出事務所

 

► 関連項目: 部門改革の「テーマ設定」と成功事例(営業部門